Ready To Deal (Renee Geyer Band)

なんと今年のはじめに亡くなっていたのだそうな(これを書いているのは 2023/11/16 )Renée Geyer は。 日本ではほとんど知られていないっぽく、ソロ作品にしてもバンド名義の作品にしても CD 化されているにも関わらず、流通していない。 オーストラリア(やニュージーランド)だけで消費され尽くしているのだろうか。 つってもストリーミング全盛の昨今、Spotify にも上がっていないのはいかんともしがたい話だとは思います。

来歴は Wikipedia を見てもらえればいいかと思いますが、最初のソロアルバムをリリースしたのが 1973 年。 翌年にもう 1 枚アルバムを出して、更に翌年(1975 年)にここで紹介しますバンド名義でのアルバムを出すのですけれども、これに至った経緯は不明。 更に私はソロ作品を聴いていないので、バンド名義になったことで醸し出される相乗効果がどのくらいあったのかを推し量ることができません。 その上で申し上げますと、このアルバムは奇跡的に素晴らしい。 ボーカルスタイルがなにしろ黒汁溢れすぎるソウルっぷりで、ジャケットの中央のセクシー姉御がこれ歌ってんの?っていう驚くべきギャップを生みだしています。 そしてバックの演奏がグルーヴ感垂れ流しでこれまたすごい。 こういうのをまさしく「レア・グルーヴ」っていうんでしょうなぁ。

なお、バンド名義としては 1976 年に Really Really Love You という同年に行われたオーストラリアツアーの模様を収録したライブアルバムを出しているのですが、これもまたゴキゲン。 死去に伴う再評価っていうのも白々しさを感じてしまうところなのですが、このまま時代に埋もれさせるのはたいへんにもったいない。 なんとかならんものか。