Mick Abrahams (Mick Abrahams)


Mick Abrahams は Jethro Tull 結成時のギタリストだったそうで、そういえばと思って1stのジャケットを見てみると、あーいたいた(笑)みたいな。 ただ、今回のこともあって聞き直したんですけれども、やっぱり Jethro Tull は私には肌が合わないというかウマが合わないというか、ロックにフルートといえば Jethro Tull じゃなくて Gong でしょうがぁ!と主張して譲らない私には、どうにもこうにも苦手ではあります。 悪くはないと思うんだけど。

それでも Jethro Tull の1stがブルース・ロックを基調としているのは、紛れもなく Mick Abrahams がいたからこそであり、事実彼は1stで脱退しているという。

そんな人のソロ作品であり、その1stであるこの作品は1971年のリリースであり、ということはと思って Jethro Tull の1stはと思って調べたら1968年であり、それなりに時間が経ってからソロ作品を発表したんだなぁとおじさん思った。 っていうかその前に Blodwyn Pig があったし。 ありゃりゃ。

ブルース・ロックを基調としているのは相変わらずで、ねちっこいファンク要素があったり、妙にハードロックっぽかったり、一筋縄ではいかない作品。 ラストは15分もあり、途中にギターだけの「オレがんばるタイム」があって微笑ましいプログレらしさを持ち合わせていたりと、なかなかに飽きさせないアルバム。 ただ、これ以降の作品は、私にはいまひとつ食指が動かなかった。

Contraction (Contraction)


Contraction はカナダはケベックの(らしい)バンドで、Franck Dervieux という人の Dimension ‘M’ というアルバムのために集まったメンバーが、氏の死を受けて(独立した)バンドとして結成されたものだそう。 ちなみに Franck Dervieux さん、このアルバムでも1曲だけオルガンを弾いています。

バンドは2枚のアルバムをリリースし、その後ライブ盤がリリースされたそうですけれど、1stは1972年、2ndは1974年のリリース。 2ndではかなりにプログレっぽくなっていますけれども、問題なのは1stで、プログレになりきれず、ユーロロックとはちょっと違い(いうなればケベックロックか)、ノンカテゴライズ系といってしまうと軽率で、難しい。

カレン・カーペンターのような歌声の女性ボーカルの印象がまずあって、そのせいでSSWっぽさを感じるものの、なーんか全体的に儚げで、かと思えばジャズ・ロックっぽくもソフトロックっぽくもあり、意表を突く展開が強いて言えばプログレっぽいのかなんなのか。 ともかくも英語ではないのでロックっぽさが希薄であることは確か。

ベースがいいんだよね。

Colours (Eloy)


どっちつかずというのか、Eloyというバンドの楽曲を聴くといつもそう感じる。 このジャーマンなバンドはプログレといえばいいのかハードロック(ヘヴィーロック)といえばいいのか。 少なくとも私が好きなのは1971年リリースの1stから10年、いつのまにかメンバーも代わって新体制で臨んだこの9thでありますところの「Colours」が、前作から飛躍してシンセとかシーケンサーとか使ってやけにポップにわかりやすいスペースロックになったからであります。

ただ、これ以降のは聴いたことがなく、果たしてこのままスペース系で押し切ってしまったのか、ご多分に漏れずまたほかのジャンルをつまみ食いしているのか、わからないところではあります。 というのも私にとってのジャーマン系は「1980年以降はない」としているところでして、あーなんというかすいません。

なお、中心人物の Frank Bornemann はヘビメタ系のプロデューサーとして後年著名になるのだそうですけど、こっち方面は疎いので知りません。

はじまりのゼルダ 最初期音源集1980-1982 (ZELDA)


そもそもゼルダといえば、という書き始めを何度したことか。 ゼルダのライブ音源は夢の中でいろいろとあり、聴いてはいたのですけれども、このたび苦節15年、いぬん堂から2枚組でデビュー前のライブ音源がリリースされました。

クレジットを見ると1980年から1982年まで年代順に収められており、サウンドの変遷をたどることもできます。 特にDisc2にもなるとかなりゼルダらしくなり、それなのにデビュー作があぁなのは、本人たちが演奏しているわけでもなく、プロデューサーの意向もあいまってのことなのだろうと悔やまれますし、そうとはいえあれはあれでいいんじゃないかと懐の深いところを見せることができるのも、この明らかにファン向けのリリースである本作があるからこそかと思われます。 完結したなぁ、と。

スタジオ録音盤ともなると本人たちの演奏では心もとないと思うのも仕方のないことかなと思いますし、であればボーカルも差し替えればいいじゃんとか毒づいてみたりもしたりしなかったりですが、反面、ある程度勢いで成立させてしまえるライブ演奏を聴くにつけ、デビューアルバムでの本人たちの演奏によるスタジオテイクを聴いてみたかった。

そもそもにベースがいい(というか個人的にすごく好き)のはさておくも、ギターがですね、すごくいいんですよね。 味わい深いんですよ。 脱退が悔やまれる、と申し上げていいんじゃないかってくらいに。 ライナーにもありますように、野生のゼルダ、縄文音楽をドラムが底上げしており、暗黒ゼルダ期と呼ばれたのもうなづける内容です。

ただこれはファン向け。 ゼルダを未聴のかたは3rdとか4thをお聴きくださることをおすすめいたします。

History of UK Folk


実際には

The History of U.K. Underground Folk Rock 1968 – 1978

の1と2であります。 あの KissingSpell からリリースされた暗黒オムニバス。 ジャケットも内容ももう陰鬱で、逆に笑ってしまうくらい。

イギリス(とその周辺)の1968年から1978年にかけてリリースされたアングラなフォーク・ロックのオムニバス、ということで、アングラっていうのはいいですけど、フォークでもロックでもなく、フォーク・ロックだ、というのがミソ。 当時、こういうジャンルはアコースティックにキメるもんだろうというところをむりやりにエレキを導入させてしまった(しかも少し後悔している)感ありまくりで、どこかで「エレキ・トラッド」と紹介されているのを見て溜飲を下げもし、エレキとトラッドがこれほどまでに字面的に合わないものなのかよと呆れもし、です。

オムニバスですんで、何が何でもアングラなフォーク・ロックでしかない、というわけにはいきませんし、逸脱しているところがないとも言えないんですけど、それでもそれなりにタイトルに則している内容だと思います。 なにせ Vol.1 の1曲めが Shide and Acorn ですもん。 そうきたか、と肩を落としてしまいます。 もうさ、やられちゃったよおじさんは、と。

アンダーグラウンドだ、ということで、一概にサイケだともアシッドだとも言えないところが音楽ジャンル的側面からみたときに重要で、サイケっぷりはないのに重くて暗くて死んでしまいそうな楽曲もあり、いやかえってこれはアシッドそのものだろうと翻ったり翻なかったり忙しく、なにしろ聴きまくって通底していると感じるのは、あまりの偏りっぷりに笑いが(微笑が)止まらないのであるところです。

アングラなんですよ、なにせ。