elis (1966) – Elis Regina

Elis Regina のアルバムは結構持っていていっとき聴きまくっていたのに、嫌いになったわけではないけどどうも TuneBrowser のアルバムシャッフル機能(曲単位のシャッフル機能もほしい)がエリスを嫌いなようで、随分と久しぶりに当たったのがこの elis というアルバム。

elis というアルバムは沢山ある。 Elis Regina という歌手の elis というアルバムが5枚も6枚もあるのでして、単に elis というだけでは伝わらないんで、その後にリリース年を入れるのが通例となっていまして、その線で言いますとこれは、1966。 1966年のリリースで、もう50年以上も昔のアルバムなんですなぁ。

おそらくは既に超有名になっていたのでしょうけれど、メジャーでの1stである Samba, Eu Canto Assim が1965年なんで、まだまだ(メジャーでは)2枚目なんですね。 だもんで elis (さいしょ)としてもいいくらい。 脱線しちゃうんですが、Samba, Eu Canto Assimっていうのもすごいタイトルですよね。 前にも書いたかもしれないですけど、「サンバ、私はこう歌う」ですもん。 もういきなり全開バリバリに自信満々ですものね。 その次のアルバムなんだから、すでに完成されちゃってるんですよ、エリス・レジーナとしては。

またまた脱線。 前に書いた Elis Regina のエントリーからどれだけ経ってるのか忘れてしまったし、もしかしたらこれも書いたかもしれないんですが、Regina っていうのは、Re の部分は「ヘ」と読むのが本来らしいんですね。 だもんで、エリス・ヘジーナ。 なんか、軽く詰まるらしいので、エリス・ヘッジーナ的な読み方になるんだそうで、知るかよ俺はエリス・レジーナって呼ぶんだよ!って話ですし、そうなるとそうなるとで娘(Maria Rita)はマリア・リタになるのか、いや、こっちはマリア・ヒタなんだよなぁって大混乱。

もうこの時点でその後有名になる若き作曲者の楽曲を惜しげもなく採用していて、女王の貫禄たっぷりであります。 この Samba Em Paz は Caetano Veloso の曲。


Four (Bah Samba)

Bah Samba は2013年頃にアルバムを出した後に沈黙を保ってしまったようでですけれど、私自身は2004年にリリースされたこの 4 と名付けられたアルバムと、翌々年にリリースされたリミックス集を持っているだけでブームが過ぎてしまい(というか忘れてしまい)、他の作品がどうなのか知る由もないのではありますが、その実、いろいろ聴いてみたいとは思っていました。 でも、なんかマイナーなんですよね。 マイナーだったんですよね。

不思議だなぁって思うのは、こんなによいアルバムを出したのに、ブレイクした気配がないってことなんです。 前述のとおりに他を聴いていないんですけど、この 4 というアルバムはCD2枚組という気合の入れようで、当時はラテン・ハウスと言われていたような気がするものの、今聴くとどこがハウスなんじゃいっていうくらいにその線は薄く、大変に心地の良いモダンなラテンで、Bah… Samba!であります。 収録18曲中、代表曲とも言える Portuguese Love がオリジナルミックスとアルバムバージョン、そして別ミックスと3パターンありますが、他の15曲はそれぞれ重複することはなく、恐ろしいことに捨て曲がないんですよ。

なんでブレイクしなかったかなぁ。 っていうかしてたのかな?

これはオリジナルミックス

Live In Lyon (Can)

ジャーマン・ロックの雄である Can のボーカルといえば、初期の Malcolm Mooney そしてその後の Damo Suzuki ときて、その後は残ったメンバーが担っていた、というのがこれまでの私の認識でしたけど、1976年に3ヶ月ほど別のボーカリストを迎えていた時期があったのだそうな。

非公式の年表によると(公式のにはまったく記載がなかったので)、1976.01.09のベルギー公演にてそのボーカリストが初めて Can のコンサートに立ったとのことで、それから間もない同03.04まではボーカルをつとめていたとこのこと。 その次の同18日の公演では、その名がなかったそうで、代わりに Michael Cousins なるクレジットがあることにも注目したいところなれど、それはさておいて(1ヶ月持たなかったそうですけど、LIVE IN HANNOVER, 11 APRIL 1976 っていうブートはその在籍時の最終日らしい)。

その3ヶ月だけボーカルをやっていたのは Thaiga Raj Raja Ratnam とい名前の人で、詳しいことはわからない。 マレーシア人なんじゃないかっていうことで、なんとなーくバンドはアジア人を求めていた風にも見受けられます。

この Live In Lyon は、1976.01.17の模様で、セットリストをみるに前半戦の模様を収録したものだそうです。

なんで「だそうです」なのかといえば、未聴だから。 加入間もないボーカルはどんなもんなんだろう。

私が持っている音源は同3月のライブの模様(ブート)で、セットリストからみるにフルセットなんじゃないかと思いますが、そもそもこの日のセットリストが2種類あり、まさか午前の部と午後の分っていうことはないよなぁとは思いますけど、それに則すると午前の部ということになります。 どちらにしてもこの頃 Can はフランスツアーの真っ只中だったらしく、その間におったらしいですね、 Thaiga Raj Raja Ratnam さん。

どうしてもその在籍時の曲をやるっていうことでダモ様と比べてしまってしょうがないのですが、やっぱり狂気じみた部分では勝てっこなく、歴史から抹消されただけあってインパクトは弱い。 こうやって歴史は作られていくんだねぇ。


のれないR&R(割礼)

日本のロックを牽引し続ける孤高のバンド””割礼””
9年ぶりとなるオリジナルアルバム『のれないR&R』
30年以上にわたり日本のアンダーグラウンドロック界に君臨し続ける孤高のバンド割礼。あらゆる世代からのリスペクトを一身に受ける彼らが新アルバム『のれないR&R』を発表。ライブアルバムやライブシングル、過去作の再発などを挟みながらも、オリジナルアルバムとしては『星を見る』以来9年ぶりとなる、まさに待望の1枚。
宍戸幸司を中心に山際英樹、鎌田ひろゆき、松橋道伸の4人によるアンサンブルはより深く絡まり合い、まるで違う世界から鳴り響くかのような独特のスローなサウンドは、割礼にしかたどり着けない境地を更新している。

「星を見る」から9年も経ったのかと、よくよく思い出してみると1歳半の息子に「リボンの騎士」をじっくり聴かせてみたところ、たいへんに嫌がったものであり、そういう意味で懐かしくもあり、もうこの年齢になると5年だ10年だはそんなに昔じゃないっていう感じになってきて。

テンポがどんどんスローになって、「ゲーペーウー」があまりにスローで感動してしまったあたりから聴き始め、いつだったかその後に同じ「ゲーペーウー」がオリジナルかもしくはオリジナルよりもちょっとはやいかくらいのテンポになったのを聴いて(正直言えば)落胆したものですが、やっぱりというかなんというかまたスローになって、「星を見る」を聴いてよかったと、ほんとうに割礼が好きでよかったと思ったものであります。

今作もスロー。 超スローでダークでサイケで、これぞ割礼であり唯一無二なんですよ。 ファンではありながらもコンプリートするほどではないんですけど、アルバムが出るとなると買っちゃうんだよね。 っていうかもしかしたら今年初めて買った新譜じゃないかしらん。


Live In Germany 25 June 1971 (Kraftwerk)

Organisation は1970年の時点で解散状態にあり、当時の演奏の動画が(確か Ruckzuck もあったような)見られることもあって、このへんのぐちゃっとなった状況が捉えづらいところではありますが、この1971年7月当時であれば、もう Kraftwerk としては活動が開始され、そろそろ1stがリリースされるんじゃないかっていう頃なのに、まだまだメンバーは流動的で、なんといっても Ralf Hütter がいないという度肝を抜くようなことになっていたのでした。

その代わりと言ってはなんですが、Florian Schneider-Esleben がいて狂ったフルートを吹いていて、ギターは Michael Rother でドラムは Klaus Dinger と、まさしくこの後 Neu! になるわけで、残された Florian はまた Ralf とひっついて Kraftwerk を存続させ、3rdまでの「なかったことになっている」アルバムを発表した後に、あの Autobahn のヒットにつなげていくのではありました。

ということで、Neu! なんだけど Florian がいるんで Kraftwerk になっているというか Neu! に染まりきっていない(もちろん初期 Kraftwerk ですらない)なんとも言えない不思議な空間が録音されていて、こうやって今でも聴くことができるのは地球規模的な幸せです。

この日のライブそのものはそもそも、ビートクラブというテレビ番組の撮影でもあるからしてこういった映像も残されているわけですが、ライブそものはブレーメンの Gondel Kino という映画館というか劇場で行われ、数多くのブートを生んだところであります。 ちなみにこのDBQPというレーベルも果たしてオフィシャルにリリースしたのかどうか謎ですし、これまでの経緯的にオフィシャルなわけはないかと思いますが、どうなんだろう。

なにしろ Kraftwerk が一人で Neu! 二人にガチンコ勝負ですんで分が悪い。 かなりにロックになっています。 ジャーマン・ロックというか、ロックになっています。 創成期っていうのは混沌としていつつも貴重でありますなぁ。