There’s An Innocent Face (Curt Boetcher)

唯一のソロ作が Curt Boetcher 名義となっているけど、本名は Curt Boettcher と、紛らわしいにも程がある。 と、少々ぷんすかしてしまった私ではありますけれどもそれはさておき、Curt Boettcher といえば ソフトロックの名盤中の名盤をリリースした The Millennium だったり The Sagittarius だったりで、さぞかし幸せな人生を歩んだのであろう(なんならまだご存命なのだろう)と思っていましたら、なんとまぁ Wikipedia にありますとおり、どちらかといえば不遇だったもよう。 とくにプロモーションの面では不遇どころの騒ぎじゃなかったようで、The Millennium にしかり、この唯一作のソロですらプロモーション不足でヒットしなかたそうな。

そして 43 歳という若さで 1987 年に死去されるという。 これを不遇と言わずして、という話です。

The Millennium の唯一作がプロモーションをまともにしてもらえなかった理由っていうのが「金ばっかりかかって難解で前衛すぎ」っていう、よっぽど理由になっていない不可解さを 2023 年の今、私が感じるのは、その後の再評価を経てのことなのではあります。 が、ソロ作で同じ轍を踏まない気負いがあったのか、ずいぶんとポップに仕上がっているところにちょっとした無理さがあったのではないかと感じてしまい、素直に聴けないんですよね。 決して悪い出来ではないのに。

だので Curt Boettcher に関しては他の作品をじゃんじゃか聴いてくださいっていう話ですけど、そもそもはコンピ Trip On Me からの流れだったのでそちらに関しても。 そこに収録されていた Meadows And Flowers という曲は、クレジットを見ると自身の作ではなく、かつこのテイクが未発表モノだということで、詳細がまったくわからないんです。 こういうこともあるんですなぁ。

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