刑事物語

刑事は愛を抱きしめた手のひらを、愛を守るために拳にかえた。
―男が男であるために・・・・・・。

ガサ入れ失敗のとばっちりを受けて、博多署からの転属を命じられた刑事の片山元は、知り合った聾唖の風俗嬢・ひさ子の身柄を引き取り、静岡へと向かう。南沼津署に赴任した彼は、そこで連続殺人事件の捜査に加わる事に。ボサボサの長髪に膝の抜けたズボンと、冴えない姿の片山ではあったが、実は中国拳法・蟷螂拳の使い手だった!

ヒロインに相当する役が聾唖者の元トルコ嬢。 別に特別な存在ではないとは思いますが、これが原因でなかなかにテレビ放映されなかったらしいとのこと(知りません)。 それと、なぜかDVDにプレミアがついているという。 うちの妻がこれを小学校だかの時に学校で観たことがある、と申しておりましたけど、たぶんこの1作目じゃなくて、以降の作品だったろうと推測します。 さすがに小学校でこれはまずいだろうと。

ストーリーに特筆すべき部分はなく(今ひとつ思い出せないけど、ハンガーヌンチャクがなんでハンガーなのかはわかった。シーンがクリーニング屋だからか!)、強いて挙げればラストシーンではあります。 あぁ、田中邦衛って、あぁ・・・って気づいて、切なくなるっていうのも不思議でありますし、なんと言えばいいんだろう率直に感動するのとは違う、不思議な気持ちで感動するんですよね。 そうか、だから田中邦衛は・・・

ただ、それよりなにより武田鉄矢であります。 こう、計算高い、理屈っぽい説教臭い感じがね、キャラ作りのためにしているんだったら最高だと思うんですよ。 ってぇか、そうだと信じてるんです。 だもんで本人には絶対に会いたくないし会いたくないタイプの人なんですけど、こうやって映画で観るんであれば「最高のキャラクター」の一つだと思うんです。 少女売春に土下座までして愛を語るとかね、そういう極端さを演出しているからこそ、ちょっとキレた(ハイッ!)ところが印象強くなるんです。 あとね、男はいつもぎらぎらしてるんだぜー!男ってほんとはこうなんだぜー!っていうのを、包み隠すんだけど見せるときはためらいなく見せちゃう、っていうのも興味深いですよね。 言うなよバカ!って思っちゃう。

傑作じゃないけど、必見ではありますなぁ。