戦国自衛隊

ご都合主義な映画という感想を持つことがありますが、そもそもに映画というものはリアルじゃないのでご都合主義に偏ってもまったくもっておかしくはないもので。 「いや映画だからw」って済ませればいいのでありまして。 でも、行き過ぎるとなんでもよくないものでありまして、いくら映画つったってこれはひどいだろが!ってなるものもあるにはある。

半村良の同名ベストセラーを、千葉真一ほか個性派俳優を配し映画化した戦国時代アクションのデジタル・リマスター版。伊庭三尉率いる自衛隊の小隊21人が戦国時代にタイムスリップしてしまう。隊長はのちの上杉謙信と出会い天下を取ることを誓うが…。

もしも自衛隊のちょっとしたみなさんがタイムスリップして、その先が戦国時代だったら・・・というのが前提なので、これが崩せませんよね。 いやなんで自衛隊なのよ、とか、なんで戦国時代なの?とか言っちゃ、らめ。 なんで隊長が千葉真一なの?も、らめ(だってこの人の映画だもの)。

私がいいなぁと思ったのは効果で、タイムスリップの時の合成具合とかね、なんか向こうでなんかが爆発しちゃうときの合成具合とかね、それらがすごくいいなぁって思って。 特に前者。 海と空の混ざり具合が、粗いんだけどあたたかいというか、なつかしいというか、アナログな・・・まぁアナログなんだけど・・・空気を持っててね、昭和生まれとしてはその特撮具合が心を打つんですよ。

後はなんか、どうでもいいっていうか。 ご都合主義に偏りすぎてて、観ていてつらくなるんですよ。 こう、ご都合主義が笑いに発展しないと、観てるほうはどうしたらいいんだって話になるですよ。 じゃぁ観なければいいだろってことにもなって、じゃぁお薦めしませんね?ってことにもなっちゃう。 強いて言えば夏八木勲(ロクさん)の笑い方に狂気が溢れてて、ちょっと怖い、とか。 千葉真一がだんだん狂ってしまい、特段違和感なし!とか。 薬師丸ひろ子がおい! 笑いどころはあるんですけどね、そもそも笑う映画じゃないですし、困っちゃうんですよ。

笑いに転換できないぶん、楽しめないんだよねぇ。