FARAD

Bruce Haackと言えばElectric Luciferが有名なエレクトロサイケおじさん。 サイケと言っても明確にエレクトロ系で、そもそもが電子楽器をおもむろに作っちゃうっていうんだから、軽くマッドサイエンティストの匂いもしそう。 なのに子供向けの作品を作ったりと、よくわかんないおじさんです。

そんなおじさんがこさえた「FARAD」という楽器の名前がこの作品のタイトル。 FARADとはボコーダーの元祖で、FARADを用いた楽曲だけを収録しているという、悪夢のようなコンピレーションがこれなのであります。 FARAD自体は1969年に製作され、次年に発表された先のElectric Luciferに用いられたのだそう。

収録曲のうち、最後のParty Machineが一番馴染み深いサウンドかも知れません。 多少クラフトワークを逆輸入したふしもあり、おじさんやればできるじゃんwって感じ。

これ以外が馴染み難いかというとそうでもないんです。 ただ、軽く狂気入ってまして、どういう意図で曲を作って録音しているのか、その精神状態に計り知れないものがあるんです。 とりあえず録音するものは全部変調させちゃえ、発信機がメインでいいじゃん?みたいな、潔すぎて頭悪いんじゃねぇか?っていうサウンドが延々続きます。 情け容赦無いサウンドギミックが惜しげもなく乱れ飛びまして(ステレオ効果の功罪であります)、あぁこれはサイケすぎる。