ローズ

麻薬と酒、そして男でボロボロになりながらも、生まれ故郷のフロリダに錦を飾ることだけを夢見て、ステージでエネルギッシュに歌い続ける人気ロック・シンガーのローズ(ベット・ミドラー)、その栄光と孤独。
『黄昏』の名匠マーク・ライデル監督が、ジャニス・ジョプリンをモデルにしたエネルギッシュで破滅的な女性シンガーの壮烈な生きざまを、超個性的実力派ベット・ミドラー主演で映画化した人間ドラマの傑作。とにもかくにも彼女の熱演に圧倒され、それがすべての作品ともいえるが、一方ではそれだけでも必見と断言できる。

この映画はあたし、泣いちゃったよ。 文句なく、というわけにはいかなかったけど、とてもいい映画で泣いちゃったよ。 うんうん、ラストにかけてのたたみかけも静かに切なく残酷でねぇ。

そもそもこの映画を見ようっていう気持ちは、本当につい最近になってからでして、それまでは忌み嫌ってた部分があったんです。 こう、主人公がジャニスをモチーフにしてるとか、なんつったってベット・ミドラーだしとか、スチール見るにこのステージのどこが60年代なの!?とか、そういうネガティブな部分ばかりに目を奪われちゃってたんだよね。 そもそもロックが好きじゃないからさ、っていう。

でも、自分の子供を持つっていうと、人は変わるんだね。 趣向ってものは大胆に変わっちゃうんだね。 ついつい勢いで観てみたっていうわけなんです。

まぁ基本的にベット・ミドラーを受け付けない体質に変化はないんですけど(笑)、それでも迫真の演技でしたよ。 すごく良かったですー。 あんまりジャニスがどうこうって考えなくてもいいんじゃないかなぁ、っていうか、ジャニスっていうのを忘れて観た方が絶対にいいです。 そもそもジャニス違うじゃん!っていうさー。

確かに激情の人生だわなー。

ちなみに私はこの映画の中で、ジャーマネ役のアラン・ベイツの演技がいいなぁって思ったんですけど、もう故人なんですね・・・ん?アラン・ベイツ?アラン・ベイツってあのアラン・ベイツか!