Sun 1972 (Sun)

Renee Geyer 繋がりでここまできた。 ここまで書かなかったけど、2023 年のはじめに亡くなっていたのだそう。 そんな彼女のキャリアの相当に最初期に置かれているのがバンド「Sun」の初代ボーカル。 彼女自身はなんでも歌えちゃうんだろうけど、要求に応じてジャズからソウルからこういうブルースまでいけちゃうのはやっぱりすごい。

アルバムタイトルのとおり 1972 年にリリースされた唯一作は、Renee Geyer の脱退後、あるいは抜けるかどうかくらいの時期に当たるのかとは思いますが、2022 年にリリースされたとされるバンドの短い活動期間に録られたリハーサル風景の 4CD コンピからの抜粋が Sun 1972 の 2023 年盤には収録されていて、これをもって Sun の名刺代わりといったところなのか。

バンドは最終的にどこに行き着いたのかわかりませんけれども、アルバム発表時までは世に言われるジャズ・ロックのバンドというよりは、サイケがかったヘビーなブルースバンドといったほうが正しいかも。 代表曲である Message は、リハーサルテイクやテレビ出演時の演奏では、タメの効きまくったブルースではありますけれども、アルバムではエフェクトを使ってダークサイケになっちゃってるのが素晴らしい。 いやほんとうに素晴らしい。 フルートが入ってスローテンポだと、どうしても名曲になっちゃうよなぁ。 あ、もちろん他の曲もいいです。 ブルースを基調として、ジャズやプログレッシブな要素を散りばめ、ときよりサイケの味付けまでしちゃって、当時としても突出した存在だったのではなかろうか。 っていうか突き抜けすぎて孤独だったかもしれないけど(オーストラリアだもの)。

ちなみにアルバム発表時、そして 2023 年盤の最後にも収録されたテレビ出演時の 1972 年、Renee Geyer は 19 歳。 Renee Geyer 嬢ですよこんなもん。 すごすぎるだろこれ。 ともあれ合掌。

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