Bicicleta (Boca Livre)

1979 年にリリースされた、ブラジルのボーカルグループ(演奏もする)であるところの Boca Livre のデビューアルバムが自主制作であることはつとに有名ではありますが、いったい何枚プレスしたのかオリジナル盤がそれほどは高値ではない。 値段のことはさておくも、今頃知って驚いたのが、翌 1980 年にリリースされた代表作とも言える Bicicleta も自主制作だということです。 こっちは目が飛び出るような値がつけられている場合もあって、(盤質に見合っていないことから察するに)評価が一定していないのではないかと思うところなのではありますながら、2 枚とも名盤なのでぜひ聴いてほしい。 っていうかその 2 枚くらいしかちゃんと聴いていない私からだと説得力に欠ける・・・。

もうひとつ驚くのがこのグループはいまだ健在だということで、そういった意味でも極初期のアルバムが(オリジナルが自主制作だったにせよ)ストリーミングで聴ける単純な理由たり得ているのか。

自身たちも楽器の演奏をするものの多くの音楽家を参加させているために(フルート多すぎ説もある)、その抜群のコーラスワークを大きくもり立てております。 ジャンルとしては MPB でして、いやかえって MPB 以外にあてはまるものはないのですが、根っこにあるのは当然サンバでして(サンバを生き方でもある)楽器もコーラスもたくたんたくさんあってリズムの壁を構築していく様は、その哀愁を帯びた美しさもさながらに、無論のこと圧巻です。 曲もオリジナルあり、カバーあり。 カバーつっても MPB ですからもう、おいしいどころがちょいちょい入ってて、もうおじさんタマランチ会長でありますわい。

ちなみに先日( 11 月初旬の連休)にインフルエンザでうんうんしていたとき、このアルバムで熱が上がりました。 インフルエンザの気休めに、サンバは向かない。

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