By The Waters Of Tomorrow (Vespero)

自主制作で最初のアルバムをリリースしたのが 2004 年だという。 最近よくよく考えてみると、キリのいいところで 2000 年デビューだっていったってキャリアは 20 年なのであり、やれ 70 年代初頭にうんぬんかんぬん言ったところがえらい年月を経ているわけで、ここのところこういう時間感覚があやしくなってはいます。

最初のアルバムが 2004 年で、公式といいますか自主制作じゃないアルバムのリリースが 2007 年で、その間にいくつものアルバムを作っていたらしいですし(タイトルがロシア語だもんで余計謎は深まるし)、そもそも尋常じゃない数のリリースがありますこのバンドですもんで、いかんせん追いきれない。 っていうかロシアのロックシーンってこうも多産なものなのかしらん。

「あしたのジョー」と呼ばれる(たぶん)2015 年リリースの Fitful Slumber Until 5 A​.​M​.​‎ もいいんですけど、それまでクレジットされていた女性ボーカリスト(というかスペースウィスパー)がクレジットされなくなり、一気にスペース・ロック感が高まった 2010 年リリースのこの By The Waters Of Tomorrow を初めて聴いて、ちょっと何よこのスペースさ!って感動したものじゃ。

これまたよくよく考えてみれば、スペース・ロックというものの定義は大分に曖昧で、Vespro にしたって純粋にスペース・ロックなのではなく、最初に聴いたこのアルバムの印象がスペース・ロックだったに過ぎないのでもあり、広範囲ないいかたをすればプログレでありサイケであるわけで、そっち方面が好きな人におすすめです。

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