いつかギラギラする日

1970年代のヤクザ映画傑作群から、時代劇や女性映画を経て、巨匠・深作欣二監督が久々に手掛けた現代アクション映画。
中年の神崎(萩原健一)、井村(石橋蓮司)、柴(千葉真一)は、若者・角町(木村一八)から持ちかけられたホテル売上金強奪計画を実行するが、2億円入っているはずのケースの中には5000万円しか入ってなかった。錯乱した角町は井村を射殺して金を持って逃亡、柴の恋人・麻衣(荻野目慶子)と組んで自分の店をオープンさせようとする。怒りと執念に燃える神崎は、やがて警察やヤクザをも巻き込みながら若者たちに報復していく。
二世代の対立を軸に、息をもつかせぬスピーディな演出で、もう若くはない男たちの挽歌を奏でる深作演出は俄然絶好調。真のプロフェッショナルによる日本映画ならではの快作活劇である。

そもそもはヤブ整形外科医役で六平直政が出演しているの目当てで見たようなものなれど、そもそも深作作品であるし、萩原健一以下ちょっと濃すぎる面々が(その筆頭が六平直政だと思う)出演しているのでもあり、悪いはずはないんだけど制作費の割にはヒットしなかったそうで、大変に残念。

映画そのものに関しては「観てください」っていう話ですし、ちょっと尋常じゃないテンションの荻野目慶子を見るだけでも価値はあると思うし、車はどんどん破壊されていくし、そもそも「石橋蓮司の無駄遣い」なんじゃないかとは思いもすれ、残念なのはバンド。 バンドがちょっと。

残念ながら(荻野目慶子のせいで)子供と一緒に観ることはできないんですけれども、見どころがやたらに多く、銃一つとっても二丁めを安岡力也から(アブサンをゴチになりながら)仕入れるなんて、ちょっと出来すぎです。 こういう映画はもうできないだろうねぇ。

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