絵島疑獄

七代将軍家継の生母月光院に仕える、大奥大年寄絵島と、当代の人気役者生島新五郎のスキャンダルは事実無根、全くのデッチ上げ! 連坐者千五百名に及んだ一大疑獄事件を、正室派対側室派、保守対革新、尾州家対紀州家等々、幕閣内に渦まく派閥抗争と捉え、犠牲者絵島の人間像に迫る、杉本史眼が冴える長編。

お忍びの芝居見物にワナが仕掛けられてあったとは……。わが世の春に酔い、重職にありながら水面下に繰り広げられた派閥抗争に気付かなかったとは……。「永遠流ですら罪が軽い」とまで思い詰める絵島の痛切な心情を、荒涼とした遠流の地、高遠に描く。“犠牲はいつの世も弱い者に”、憤りが伝わる著者会心の作。

何年も前に買っておいてそのままにしていた。 絵島(江島)といえば高遠で、私の住んでるとこのとなり町で、車で通りかかる度にやれ囲み屋敷だの菩提寺だの見かけまして、そういえば家に絵島疑獄ってぇのがあったなぁって思い出すも、そのままになってたりでもう何年も経ってて。 読まなくちゃなーって思いつつも、そのままで。

その実、江島生島事件なるものは全然詳しくなく、知らないといってもいいくらいのもんだったんで、この作品であれこれ知るにいたるっていうくらいの話なんですよ奥さん。

時代物だし、話が話なのでノンフィクションなのかどうか!みたいなことは問わないで、ときよりWikipediaを斜め読みしつつ、読了。 これはあれですよ、囲み屋敷とかやらに一度行ってみなくちゃですよ。 近いんだしね。

でもこの時期は寒くてやだ。 作中にもあるとおり、寒いんですよ。 今日も雪降ってね、高遠のどっかでは停電になっちゃったりでね、当時は相当に辺鄙というか辺境というか、なんもないところだったんだなぁって。

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