アカルイミライ

『CURE』『回路』など国際的評価の高い黒沢清監督が、世代間による対立や現代社会に対する価値観の相違などを巧みにとらえた作品。おしぼり工場で働く雄二(オダギリジョー)と守(浅野忠信)。ある日守は社長夫婦を殺害し、やがて刑務所内で自殺。一方雄二は、音信不通だったという守の父・真一郎(藤竜也)と一緒に暮らすようになり、いつしか不思議な関係が築かれていく…。
守が飼っていたクラゲが、本作の中では象徴的に扱われ、手詰まりの社会という枠の内と外の関係性や自由性をも示唆しながら、不思議と未来を明るくしていくかのようでもあり、そこがユニークな点。三世代の男優たちの魅力もすこぶる生かされているのがいい。

あれ、「はなわ」だったのか(爆笑)。

黒沢清という監督の作品では最新作を先に観なければならないところなんですけど、ここのところの藤竜也ブームのおかげ(?)でこっちを見ることに。 実際問題黒沢清監督作品はそんなに観ていなくて、例の2作目を観て、あの「贖罪」で衝撃を受けて・・・以来だったかな。

三世代がどうしたこうしたというのは、正直申し上げてどっちでもいいような気がしました。 主人公と友人、友人の父、そしてクラゲってことで三世代。 ふぅん・・・そうなんだぁって。 だもんであんまりこう、この映画を語る資格はないのかなぁって。

ともあれ主人公二人の問題児っぷりがもうすごい。 かつ、普通にオダギリ青年が異常だろうと思いきや、浅野青年がバイト先の社長夫婦を殺しちゃったりでなんだかもう。 そしてどんどん常軌を逸していく浅野青年。 っていうかなんであんな服装なんだろうふたりとも。

でもなによりも、藤竜也なんですよ。 藤竜也目当てで観てんですからこちとらは。 もう藤竜也の爺っぷりが泣けてくるくらいにいいんですよ。 ちょっと前に観たドラマではまだ30代の藤竜也だったのに、こっちはもう・・・死んじゃうんじゃないか?ってくらいの藤竜也なんですよ。 笑い方の独特さも相変わらずですけど、もうおじいさんなんだもん・・・。 フェンスを乗り越えるのだって相当がんばってるんだもん。

あぁよかった。 藤竜也を堪能できて。 私は昨今、原田芳雄と藤竜也を堪能する為に生きているようなもんなんであります。