日本暗殺秘録

「桜田門外の変」に始まり、大久保利通暗殺事件、二・二六事件などの暗殺事件をオムニバス形式に再現し、当時の世相を甦らせる。さらに、前大蔵大臣・井上準之助、三井銀行理事長・団琢磨を暗殺した血盟団事件に大きく焦点をあて、暗殺犯・小沼正の生い立ちから暗殺に至るまでの過程を詳細に描く。明治、大正、昭和の百年にわたる暗殺百年の歴史を、空前のオールスターで描く一大巨編。
暗殺犯・小沼正を千葉真一が演じ、暗殺者の心情をリアルに描き出す。そして、小沼を導いていく日蓮宗行者・井上日召を片岡千恵蔵が演じ、物語に重厚感を与えている。さらに、若山富三郎、菅原文太、高倉健、鶴田浩二ら豪華スターが総出演。

封印作品だという。 1969年の封切り以来ソフト化もされなかった作品がDVD化されていた。 2年前の話ですけども。

暗殺秘録なんで、テロってぶっ殺してっていう物騒な内容だったから封印されていたのか。 それにしたってあまりに豪華キャストであります。 岡田茂から「明治以来の暗殺事件を網羅せよ」と命ぜられたってんでこいだけのキャストになっちゃうんだからすごい話であります。 監督は中島貞夫、音楽はなんと冨田勲。

2時間半近くある長丁場の、大部分は血盟団・小沼正で占められており、これがつまんなかったらどうしようって心配もあるにはあったのですけれど取り敢えず、小沼正は千葉真一が演じ、井上日召は片岡千恵蔵が演じているんですよ。 特に千恵蔵はもうね、悪人面でね、いいんですよ。 千葉真一はこう、なんというか、この人の若いころの演技っていうのはあたしゃ好きになれないや。 ってなもんなんで、千葉真一が延々と出るとなりますと、私にとってはつらいものがありまして。 小沼正本人は評価していたみたいですけどね。

映画は二・二六事件で終わるんでありまして、銃固定の銃殺というショッキングなシーンもあるんですけど、その終わり方は案外にあっけない。 一瞬だけ看守役で土方巽が映るのが、意外といえば意外な、見どころといえば見どころ。