ガキ帝国

1970年前後の大阪。“キタ”の不良少年グループ・北神同盟が暴力団を後ろ盾に勢力を伸ばし始めた。リーダー“明日のジョー”の残酷な暴力に各グループが吸収されていく中、どのグループにも属さない“ミナミ”のリュウ、チャボ、ケンの3人だけが彼らに立ち向かう!監督は井筒和幸。島田紳助、松本竜介、趙方豪ほか出演。

特に意識もせず、井筒和明監督作品というのをいっこも観ていなかったんで、これが初めて。 監督の出世作になったのこと。 関西のお笑い芸人から若手俳優・・・今ではなんとも大物になった皆さんがこぞって不良少年(上岡龍太郎さんはプロ)を演じてて、思わず目を凝らして探してしまう始末。

ドスが効いてて動じない系のみなさんはそれはそれとして、ヘタレ、あるいはヘタれちゃう役柄の演技が個人的に興味深かった。 竜介さんを筆頭に、北野誠さんとかね。 後はもうみなさん同じに見えちゃうんだけど、みなさん。

1981年の作品で、舞台は1967年以降の大阪。 ほんとはここまで荒れてはいなかったでしょうけれど、なんかもうハングルが飛び交ったり(ゼニさんがとてもいい)、銃だなんだが案外普通に登場しちゃうのが変にリアルで怖いくらい。 台詞に関しても、ボケ・ツッコミの言い回しが「いかにも」な自然さで、思わずスルーしてしまうところながらもじっくり拾いあげたいところであります。 機関銃で撃たれちゃった女の子がその後の映画館でのケンカシーンの後に帰っちゃうのとかもねぇ・・・。

ATGのいわゆる低予算映画ってことで、粗いところが映像的に(も脚本的にも?)ありますけど、それはそれで全然許せる範囲なんじゃないかなぁ。

それにしても特筆すべきはケン演ずる趙方豪さん。 「ビールいっぽん!」はいいよなぁ。