維新の篝火

池波正太郎原作の「色」をもとに、新選組副隊長・土方歳三の恋を描いた異色時代劇。出演は片岡千恵蔵、淡島千景ほか。

「色」も読んでて、土方歳三の恋愛物っていうことで面白いなぁって読んだものですけど、細かいところまでは憶えていなくて、こうやって「色」をベースにした映画を観てみても、原作との違いがよくわかんない・・・思い出せない。 そもそも原作は手元にない筈なので(義弟に貸した)確認し直すのも難しいっていうかめんどくさい。 だから適当に書くとしても・・・

そもそもにこの「色」っていうのの原作ができたきっかけっていうのが、池波正太郎の母親が池波に「新撰組の土方の連れっていうのは京都の経師屋未亡人だったんだってねぇ」って何気なく話したかららしく、なんで母親が知ってたかっていうと、池波の父親の職人(飾り職人)仲間の父親だかが土方の馬丁をしていたからなんだそうで。

となると平吉がそれになるんだろうけど、平吉さん最後は珊瑚の髪飾りをお房に渡せずに死んじゃうしね、原作もそうだったかなぁ・・・確かに史実は悲惨だったけど、原作の最後はそういう空気に染められていたかなぁ・・・、っていうのが観終わってからの感想でんした。 まぁ映画は原作じゃないですしねぇ。

映画は1961年の作品。 内容は可もなく不可もなく、昔のチャンバラ映画だなぁってところですけど、物語が物語ですからね、確かに「異色時代劇」に仕上がってますです。

片岡千恵蔵はどうだろう、土方歳三のビジュアルが公のものになってる以上、千恵蔵だとちょっと違うんじゃないかって私なんざは思うんですけど、あぁいう一間優男風の役者だと当時は受けないと思われていたんですかねぇ。

この映画の見どころは、しっとりとした京女な未亡人を演ずる淡路千景に尽きます。 淡路千景様を見るだけでもこの映画は価値があります。 あぁ日本人いいなぁって思いますもの。