11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち

数々の名作と伝説を遺し、1970年11月25日に、防衛庁内で衝撃的な自決を遂げた一人の男、三島由紀夫。
頂点を極めた大作家の壮絶な最期に、世界中が驚愕した。
45歳という短い人生を自ら幕引きした彼は、その人生において、何を表現したかったのか。
ともに割腹自殺した青年・森田必勝(盾の会学生長)と三島のその心の奥底には、何が潜んでいたのかー。

若松孝二が死んでしまったら、と思ってたら大島渚まで死んでしまい、感慨深いものがある、のではありますが、とりあえず「千年の愉楽」はおいといて「11.25 自決の日」であります。

連合赤軍の映画もそうだったんですけど、やたらと淡々としてて・・・というか達観しているような静けさが立ちこめており、非常に独特な空気感が流れているんですよね。 それが当時のフィルムを挿入することによって(そのフィルムが貴重である事に興奮するこちら側を軽く無視して)ドキュメンタリーとの境界線をあやふやにし、観る側を作品に没入させます。

サブタイトルが「三島由紀夫と若者たち」であるとおり、三島由紀夫とというよりも楯の会のみなさんをメインに据えた構成になっておりまして、三島由紀夫好きには今ひとつの内容かも知れないです。 もちろん中心には三島由紀夫がいるんですけど、なにせ物語が楯の会結成あたりから始まるものですから。 作家としての三島由紀夫はここではほとんど出て来ませんです。

周りからやいのやいの言われて結局自ら切腹「せざるを得なくなった」感が強い本作品中での三島由紀夫ですけれども、作品中、一番興味深かったのは東大全共闘との公開討論のシーンでありました。

実際のをみると、三島由紀夫はオトナだったなぁって。