魚影の群れ

下北半島の漁港・大間には、長年マグロ漁に身体を張ってきたベテラン漁師・房次郎(緒形拳)がいた。ある日、彼の娘・トキ子(夏目雅子)が結婚したいと言い出し、相手の青年・俊一(佐藤浩市)を連れてくる。今の仕事を辞めて漁師になりたいと懇願する俊一に根負けし、房次郎はついに彼を船に乗せるのだが……。吉村昭の同名小説を原作に、『セーラー服と機関銃』『台風クラブ』などの鬼才・相米慎二監督のメガホンで描いた骨太で崇高な人間ドラマの傑作。それまでアイドル映画における長回し演出ばかりが取り上げられがちだった相米演出だが、ここでは大人の男女の愛憎をじっくり見せこむための手段として長回しが大いに功を奏しており、また実際に俳優たちに危険なマグロ漁を行わせ、その緊迫感をあますところなく映像に収めており、そのダイナミズムはそこらのスペクタクル映画がひれふするほどである。もはや演技を通り越して、役そのものに同化しているとしか言いようのないキャスト陣の名演も特筆したい。

観終わってから気がついたのですけれど、魚群の影、ではなくて、魚影の群れ、なんですね。 あぁそうかぁって溜飲が下がった思いであります。

これ、名作。 とてもいい映画だからみんな観るといいよ! 基本1シーン1カットという無謀とも言える演出なんですけど、ものすごい緊迫感が生まれ、必ず見入ってしまうんです。 こう、長回しをしている監督と勝負をしているような感覚に陥る・・・。 しかもこの漁のシーン、本当にやってるんでしょうもんだから、スリルありまくりなんですよね。 マグロ漁ですよだって。

これまで私、夏目雅子の演技というものをちゃんとは見ないで来たんですが、さすが名女優とうたわれた人ですねぇ。 もっと他の作品も見たくなってしまったであります。 やー見たい映画たくさんになっちゃうなー。

ちなみに佐藤浩市の、若き佐藤浩市のイケてなさは、見ているこっちが赤面してしまいそうで、緒形拳との対比が明らかとなり、ラストシーンがすごくよくなるんですねぇ。 私、ほろりとしてもうたです。

しかし、クレジットロールに掛かる歌を歌ってるのが原田芳雄っていうのでずっこけるのでありました。 なぜここで原田芳雄が!しかも歌ってる! うわぁぁ