鹿鳴館盗撮

明治維新とともに北辰一刀流の剣を捨て、写真師となった元幕臣・志村悠之介。彼はかつての幼なじみで、今は鹿鳴館の華といわれる沢田子爵家の未亡人、百合子と再会する。逢瀬を重ねる二人。しかし、ある日、横浜居留地を撮った悠之介は謎の男たちに追われることとなり、百合子にも毒牙が迫っていた。その裏には内閣総理大臣伊藤博文と外務大臣井上馨、そして大英帝国のヴィクトリア女王の信任厚い「バロン」らの暗躍があった!剣豪写真師・志村悠之介が、鹿鳴館に隠された権謀術数と明治外交の裏面を暴き出す。

これは連作で、前回の西郷盗撮とあってこの次のニコライ盗撮で一応の完となっているらしいです。 ちょっと前の風野真知雄作品。 些か趣が異なっており、これはこれで不思議な新鮮さがあります。 特にこの作品では所謂濡れ場シーンというのがあり、意外や意外!で恥ずかしいやらなんやら。

幕末ものを好んで読んでいると自然、維新後の物語が読みたくなくなってしまうんですが、そうは言え案外読んではいるでいるんであり、毎度おかしな錯覚のようなものに囚われていたんですよね。 こう・・・まるで自分が幕府側の人間であったような(もともとが新選組のファンだったから)気持ちになって、負け犬となった時代の事なんて知りたくもないし聞きたくもない、って風になっちゃって。

でも、私も年を取ったのか子供ができて丸くなったのか、色々な事がニュートラルな視点で見られるようになったのかも知れません。 だからこういう題材の書籍も好んで読了しえるし、更に世界も広がって・・・

まぁ収拾がつかなくなるのかもねぇ(笑)