にっぽんぱらだいす

喜劇映画の秀作を数多く残した名監督・前田陽一のデビュー作となったドラマ。終戦直後から昭和33年の売春防止法発効までの遊郭を舞台に、そこでたくましく生きる女たちとその客や業者たちなどのさまざまな人間模様を、軽快なタッチで描く。

香山美子目当てで見たのであって、加賀まりこ目当てではないのは、端役の加賀まりこは今一つだという認識があるからなのですけれども、それでも当たりだったりもして、特別主演が逆に引っ掻き回して味を薄める映画の典型になっていたりいなかったり。

この当時の、作っちゃえば勝手に客が(映画館に)集まるから的な大雑把な作り方も、ある方面では不思議な面白さを醸し出す場合がありますけれど、この映画については裏目に出てしまったようで、なんとも散漫な印象しか残さずに残念無念。

ホキ徳田がどうしようもなく可愛くなかったのはさておくも、ちょっと気になったのは香山美子の運動場のシーン。 突然だだっ広い運動場に取り残され、一人で帰るべく歩くシーンは、ちょっと情景深いところ。 でも全体から見えると埋もれてしまう勿体なさが・・・。