ザナドゥ

例えばミュージカル調が嫌いで、ローラースケートが嫌いで、80年代が嫌いで、アナログ的な特殊効果が嫌いであれば、もしかしたらこの映画は駄作に見えるかも知れません。 そう、それら全てが合わさっており、且つ、前半3つが殊の外嫌いな私がこれを見ちゃったのでありました。

レコード会社の雇われ画家、ソニー(マイケル・ベック)は、ある日、海岸で不思議な魅力を持つ女性、キラ(オリビア・ニュートン・ジョン)と出会う。一瞬 にして彼女に心奪われたソニーは姿を消してしまったキラを探し回るが、その途中、初老の男性ダニー(ジーン・ケリー)と知り合う。そして、彼の夢であるナ イトクラブ実現に向けて協力することになり……。

「グリース」に続いてオリビア・N・ジョンが主演したミュージカル・ファンタジー。往年のミュー ジカル・スター、ジーン・ケリーと、ローラー・スケート、タップなどバラエティ豊かに息の合ったダンスを披露する。また、数々のヒット曲を生んだELOの ディスコ・サウンドが全編を彩っている。

結果見て泣いてしまったという。

この映画は興行的には失敗したそうで。 その後もアレは良くないという話は事あるごとに出てまして、私なんかも1年に1回くらいは「Xanadu見た方がいいのかなぁ」と思ったり話したりするんですけど、その都度「あんなもん見るんだったら他のを見た方が・・・」って言われてきたんです。 ですが、

オリビア・ニュートン=ジョン & ELOのこの「Xanadu」のPVと思しきフィルム(←っていうかPVなの?)が映画本編からの編集だと聞いたんです。 これ、前から見てましたけど、合点が行かないところがあって、あのちらちら出てくる男は何!?っていうもんでありました。

そんな疑問とか、子どもが産まれてから趣味趣向が完全におかしくなってしまった今の私だったら見ても大丈夫だろう、という全く当てにならない理由で見た訳です。

反則でしょこれ。 ジーン・ケリーが出ていてしかもすごく素敵じゃないのよ。 このとき68歳との事ですが、チャーミングにビシビシ踊ってます。 演技もおじいちゃんおじいちゃんしててすごくいいです。

取り敢えずジーン・ケリー目当てに見ろ、おまえらは(笑)

それにしても私はこの映画のストーリーをネバーエンディングうんたらと混同していまして、その辺も一寸アレだよなぁと思っていたのでありますが(ファンタジーは苦手)、全然違うじゃん。 思いっきり現代劇で、ミューズが降りてきて音楽の殿堂を作っちゃえ!的な乱暴なB級なのでありました。 まさに私向けの内容。

しかも特殊効果があまりにアナログちっくでノイジーで、全くもって雰囲気を醸し出しています。 すごく映画の感じとマッチしていていいんですよ。

それにしてもオリビア・ニュートン=ジョンがアイドル然としてて面白い。 ファッションなんかも80年代を象徴しておりまして(実際には70年代の最後の最後の方なんですね)、ダサいと言えばダサいんですが、もう80年代なんて3周も昔の時代なんだからしょうがないですよね。 逆に懐かしい位。

いやぁこれは良かったですよ。 そのうちもう一回見よう。