ゆきゆきて、神軍

今村昌平企画、原一男監督による異色ドキュメンタリー。天皇に向けパチンコ玉を撃った過去を持ち、過激に戦争責任を追及し続けるアナーキスト・奥崎謙三。そんな彼が、ニューギニア戦線で起きた疑惑の真相を探るべく、当時の上官を訪ね歩く姿を追う。

史上最凶にいたたまれない気持ちになるNo.1の映画をとうとう観たです。 っていうかこれまで観たことが無いっていう方のが不思議な話ですけど、案外そういうもん。

主人公がアナーキストであるかどうかにはかなりの疑問がありますし、本人が具体的にそのあたりをどう思っていたか知るすべも無いのですが、少なくとも私から観ればこの人はアナーキストなんかじゃなくて、単に過去に縛られた歴史の奴隷でしかありません。

ただ、その過去っていうのが強烈すぎるきらいがあるのですが、それ以上の主人公のキャラが強烈であり、あまりに昭和の臭いを放出するのです。

そのキャラも、「カメラが回っている」からこそ、「俺ドキュメンタリを制作中だ」からこそ為されるものでしかなく、非常に矮小です。 なんて、こういうネガティブな印象を持ちながら観ると、この映画が最低になってしまう。

それでもこの映画を最低じゃないと、どういう姿勢で観れば良いのか分からない自分も居る訳で、困ってしまうこと頻り。 全然噛み合わない喋りを聞きながら相当フラストレーションを溜め込んで観なければならないこの映画のどこにメリットを見いだせば良いんだ、と。 どこから教訓を得れば良いんだ、と。

苦行の様なDVDでありました。 もう二度と観ません(笑)。