昭和―失われた風景・人情

大人も子供もみんな元気だったあの頃。街には匂いがあり温もりがあった。お化け煙突、伝書鳩、トロリーバス・・・ 記憶に残る懐かしい昭和の風景を訪ね歩く。

表紙の写真がモロにそれで、木造(というか木製と言いたい)の物干し台で「シェーッ!」をやる女の子二人。

そもそもは「荷風!」という雑誌の連載ルポをまとめたものなのだそうで、お化け煙突、伝書鳩、屋上遊園地、トキワ荘、丸の内ビルヂング、両国の花火大会、トロリーバス、西六郷少年少女合唱団、淀橋浄水場、駄菓子屋、下谷万年町、銀行の町・日本橋、玉川電車、木場・木材と川並、野球場、中央線の文士...なんていう内容。

その当時を現在ルポするっていうんだから、案外簡単なんじゃないかって思いました。 私も知ってるものがあったし、じゃぁ当時を知る人はまだまだ全然ごっちゃり居る筈だよね、って。

でもその当時、というのの幅が案外広かった。 全然広かった。 書籍名の「昭和」は、どちらかと言えば著者が昭和生まれなのでその目線で捉えた事柄の数々...というニュアンスなんじゃなかろうか。

少なくとも私よりも1世代以上は昔の事ばっかりなので、ルポして当時を知る人々の話を掲載出来たのは素晴らしいことなんじゃないかと思いますし、副題である「失われた風景・人情」が残念ながら(!)手に取るようにわかります。

でもそうなんだ、そういえばもう昭和じゃなくて平成、その平成だって20年も経ってるんだもん、それなりに昔の事なんだよねぇ、変わってしまっても当然だよそりゃ。


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東京スタジアムってぇと、南千住のここいらの道路標識に、右斜め前方向に「東京スタジアム」ではなかったろうけど、確か「球場」とかそんな事が書かれていたような記憶があるなぁ。