よみがえる部落史

部落差別はどこから来たのか?信長・秀吉・家康と部落差別の関係は?なぜ解放令が出されねばならなかったのか?などに最新の研究が答える。日本史を変えた新しい部落史。 

戦国時代から明治初年までにかけての部落の歴史を、明確な道筋をたててわかりやすく描き、かつての部落の人々の表情・息づかいをよみがえらせる。「部落史がかわる」(三一書房 1997年刊)の続編。

私は差別というものが大嫌いで、何故ならばそれが人間の業であるからであるし、業は容易く生まれても容易く絶やすことが出来ないアンビバレンツをその成立から孕んでいる事実を痛感しているからなのであります。

しかしながら私がこういった差別や被差別部落に関する書籍を多く読むのは、別段業(カルマ)を自分の内面からそぎ落としたいと思っているからではなく、そもそも差別という環境に近い環境に生まれ育って来、それ故に差別における内外の齟齬をば苦痛として感じ取った上で再認識せんと考えるからに他なりません。

これが業ならば、絶やす事が難しい場にてそれから脱却する難しさを先ずは認識する方が先決なのではないかと考えるんです。 そして具体的な行動を示すべきだと私は考えます。

だから読むのであります。

この書籍は、読了しても尚、タイトルの「よみがえる」たる所以を読み取る事が出来なかったのが残念でありました。 何が「よみがえる」のか、部落史がこの書籍を通読すればよみがえるのか、現代差別史に通底しない歴史の上で書かれた内容で「よみがえる」のはこの書籍においての歴史的プロセスのみなのか。

ただ、この書籍は読み進めやすいと思います。 私自身一気に読了出来ました。

そうはいえ、なにがよみがえるのか、それが読み取れないジレンマを感じた次第です。