The Inner Dimensions Of Rick Mason And Rare Feelings (Rick Mason And Rare Feelings)

ソウル~ファンクのハード・ディガーが血眼になって探し求め続けていた激レア盤がついに蘇る!
ベーシストのリック・メイソンが中心となるその名も“レア・フィーリングス”による極上グルーヴとヴィンテージ感溢れるアートワークで名高いレア・グルーヴ名盤がついに世界初オフィシャルリイシュー!


ベーシストとしてバンドのグルーヴも支えつつソングライター、アレンジャー、プロデューサーとしても全面的に関わったリック・メイソンを中心としたバンド、レア・フィーリングスが1977年にフィラデルフィアで録音した本作。
ソウル、ファンク系のハード・ディガーなら誰しもが手にすることを望み、そして手に入れる幸運に恵まれた
数少ないディガーはそのサウンドのみならずヴィンテージ感溢れるアートワークにも痺れさせられた極上の逸品!
リック・メイソンのベースが唸りを上げ、畳み掛けるオルガンとホーン、そして薄らと入る妖しげなヴォーカル(?)で絶妙なサイケ感もブレンドしたオープニングの「Rare Feelings」(M1)からスラップベースでうねりまくるイントロから怒涛のホーン隊とオルガンで一気にテンションを上げたと思いきや、突如ミドルテンポへと曲調を変えながらまたもや妖しげなヴォーカルが絡みあう「Dope」(M2)へと繋がる様はレア・グルーヴと呼ぶにふさわしいサウンド!
ベースやオルガンはもちろんのこと、絶え間なく続くドラムのフィルインと高速カッティング・ギター&ソロ、そしてフルートによるリードが冴え渡るインストゥルメンタル・ナンバー「Metamorphosis Funk」(M6)もフロアを沸かせること間違いない激レア盤がついに世界初オフィシャルリイシューです!

もう説明されつくしてしまったので私が書く余地はないのかとも思われますし、よりによって年も押し迫ってメガレア盤の誉れ高い(Discogs で $4000 だって!) Rick Mason And Rare Feelings の唯一作(オリジナルは 1977 年リリース)を紹介する私の神経もどうかしているとは思いますが、なにしろ書いているのは 9 月の初めなんですいません。 これを聴きながら草刈りをすると捗るんですよね、っていう季節っぽいネタを年末に投入するわけですが。

それにしたってそもそも Rick Mason っていうベーシストが謎すぎるんですよね。 やりたい放題のそのベースは唯我独尊を音にしたようなもので、あんまりドラムとかどうでもいいみたいな、弾きたいように弾くんだ俺のアルバムなんだから!っていうどす黒い陰謀めいたものが感じられます。 また、失敗したバリー・ホワイトみたいな怪しすぎるボーカルもどうせ彼なんでしょうし、これでもうちょっと録音状態がよろしければよろしかったんでしょうが、それがかえってボーカルの不気味さを助長してくれやがってもう・・・。

ということで貶しているんだか褒めてるんだかわからなくなってきておりますけれど、元々野放図なジャンルともいえるグルーヴ系のファンクにしても、ここまで突き抜けた 1 枚はないかと思います。 これで 2023 年を締めくくろうと画策する私自身を反省しながら、粛々と筆を置くのではありました。

追記:よくよく聴くと他の演奏者もやりたい放題でした。

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