Visions Of Paradise (Benny Johnson)

元々 Benny Johnson という歌い手さんは Spoilers というボーカルグループ出身だそうで、どのような経緯かは不明ながらも Perception というレーベルの更に小レーベルであるところの Today Records からソロデビューであり唯一作の本作を 1973 年にリリース。 そもそもからして Perception が「あの」Patrick Adams のレーベルであり、ニューヨークつながりっていうこともあり P&P とここがつながるんだぁ・・・って感嘆しちゃったくらいなのですけれども、私自身が腰を抜かすくらいに驚いたのでみんなは驚いちゃいけませんが、The Brockingtons の唯一作も Today からのリリースで、クレジットよくよくみるとここいら界隈の人が入れ代わり立ち代わり関わっていて、なんていう時代だったんだと呆れる始末です。 っていうか去年の Perception 系作品の再発時に、なんで Brockingtons の唯一作も出してくれなんだのよ!って私、ちょっぴり怒ってます。

それでも本作だけでも再発されてホントに良かった。 今年の話になっちゃうし更には年末に手が届きそうなこの頃ではありますが(書いているのはお盆明け)、「今年よかった洋楽 3 枚」の 2 枚目はこれで決定です。

アレンジも担当している Julius Brockington の「The United Chair」(1973) と同じメンバーで録音された、洗練された完成度の非常に高いソウルが底流・・・いやこれも聴きどころですけど・・・後に Young And Company で Brunswick ひいてはディスコに有終の美を飾ることになる Jacqueline Thomas がコーラスの一人で参加しているのでして、っていうか Benny Johnson のボーカルも見事だとは思いますが、まさかこれって女性コーラスのほうが主役?って思わせるくらいにパワフルで美しく、それ目当てで聴いていただいてもじゅうぶんにお釣りがきます。

いやぁこれはソウルの傑作だ。

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