Calcium (Calcium)

1969 年にフランスでたった1枚のシングルをリリースしたっきり消えてしまったバンド Calcium は、ZouZou (Danièle Ciarlet) をボーカルに据えてフランス版 Janis として売り出そうかとしようにも先のシングルがまったく宣伝しないでリリースされたために売れず、続けてリリースしようと録音していた(レコーディングセッションは同年に2度あったそうだ)アルバム用のトラックはお蔵入りしてしまったのだそうな。

残念ながら私はメンバーの誰一人として知らなかったのでありますが、界隈には後に Gong に参加する人なんかがおったりなんだりで、さすが当時のおフランスよね、なんてため息をついてしまうほどですが、そのお蔵入りしていたマスターテープが 2007 年に発掘されてアナログ盤限定でリリースされたものです。 発売元に詳細が記されておりますのでどうぞ。

アルバムの方向性が Janis だったというのが、現在こうやって聴いてみるとなにかの冗談なのではないかと思わせるほどに違和感ありまくりで、そっち方面を期待していたんじゃガッカリでお蔵入りにもなるよねって納得もできようもんですけれども、意外や意外、フォーク・ロック気味なサイケ盤に仕上がっているんですよ。

しかも1曲めや2曲めなんて、フランス語で歌われているからなのもそうでありましょう元祖 StereoLab なんですよ。 ポストロックと言われた彼らの存在は大きく尊いものですけど、Calcium を発見した今となってはその存在を十二分に裏付ける結果とも相成りました。 っていうか 1969 年ですよこれ。 素晴らしい。