新撰組の謎 徹底検証 (加来耕三)

新撰組で一番強かったのは?一番のモテ男は?一番の酒豪は?さらには、戦闘で死んだ隊士より、病死・切腹・変死・隊規違反の処刑者の数のほうが多かった謎など、時代の中での新撰組の位置付けを踏まえながら、新史料も駆使し、従来とはちがった新解釈で挑む100項目。好評シリーズ第5弾。

すっっっっごく低評価なレビューなんですよねこれ。 事実は小説より奇なり、とまではいかないのは当然だとしても、「そうであった」という史実に小説が則していないのは如何なものか的な書き方に拒絶反応を起こす、っていうか起こしやすい書き方なのに気分が悪くなるみたいで。 そういう意味ではトンデモ本にすらならないっていうね。

壬生寺を見るために京都に行っちゃったような私にとって、子母澤寛の著作はバイブルみたいなもんなんですけど、このあたりも相当に否定しちゃったりなんかしてちょっと小気味好いくらいなんですけどねぇ。 まぁあっちは小説っていうのとはちょっと違うテイストなんで、それを否定されちゃうと拠り所がなくなるっていうか、ファンとしての存在否定みたいなところまで落ちちゃうかもしれませんです。 が、今ある資料っていうのはあくまでも史実っていうか事実ではないっていうのをどれだけ差し引いても認めるべきで、逆に言えばこちとら子母澤寛の脚色で盛り上がってたんでしたっていう話でもあるわけで、沖田総司は池田屋で喀血昏倒したほうが話としては面白いわけで、それが直前に近藤勇が「今宵の虎徹は血に飢えている」っていうのとはいささかニュアンスが違うことを理解するべきなんじゃないかなぁ。 確定した史実がない以上、それを求めるよりもどうやって自分自身の落とし所を見つけるべきかっていうことなんですよね。