細野晴臣 録音術 ぼくらはこうして音をつくってきた

前にも書いたと思うけど、「はらいそ」までの(いわゆるテクノ以前の、という括りで言えば、なので、「コチンの月」は別格になるけどこれも)細野晴臣のソロ作品が好きだ。 もちろん私もYMOが好きになって、それ以上にはっぴいえんどが好きになって、でもその頃のソロ作品は西新井の新星堂には売っておらず(そもそもはっぴいえんどですら客注したのに)取り寄せもできないとか言われてしょぼくれたもんなんですけど、その後、あれこれと再発されるにあたり、ほいほいレンタルしてとにかく聴き倒し、クラウンイヤーズのリリースが発表されるやいなや予約しちゃったクチではありました。

いわゆるトロピカル三部作が好きで、実家ではロック以外の音楽がかかっていたんですんなりと聴けて、逆に1stは「なんかおじさんくさい」のであまり聴かなかったんですけど、この年齢になってやっとこさその良さがわかってきたのじゃよ。

「はらいそ」でレコード会社が変わって、音の雰囲気がずいぶんと変わった、と、そういうのに無頓着だし詳しくない私にだってわかったもんで、この書籍の存在を知るに至ってぜひとも読んでみたいと思ってました。 ついでといってはなんですけど吉野金次様のお言葉も収められているとあっては、ぜひともぜひとも。

解析とかしちゃったりして、という書籍ではなく、エンジニアへのインタビューを中心に据えた内容ですので、肩肘張らずに読めます。 音楽好きの人は読むべきかなーと思うのでした。

これがポップス録音史だ。

70年代のソロデビューから最新作まで。
40年におよぶ細野晴臣の全キャリアを、その音楽活動を長きにわたり見つめてきた
鈴木惣一朗が歴代のエンジニアと細野晴臣本人とともに辿る。

制作に寄り添ってきたエンジニアだからこそ語れる、
細野晴臣の「音づくり」とは?

現存する『はらいそ』『フィルハーモニー』『S・F・X』『オムニ・サイト・シーイング』『メディスン・コンピレーション』のトラックシートも収録!

歌謡曲からフォーク、ロック創世記の音づくり、
コンソールの変遷、アナログからデジタルへ。
テクノ、ニューウェイヴ、アンビエント、トランス…。
激動のレコ―デング発展史と、あらゆるジャンルの音楽を咀嚼してきた細野晴臣。
「自分と同業者のために音楽をつくっている」と公言してきた、その録音作品の歩みを、
「未来の音楽」のために、エンジニアと細野晴臣本人にインタヴュー。

メジャーな音楽シーンが、ライヴ、配信主導になりつつあり、70年代からすれば夢のようなセルフレコーディングが実現可能になった昨今、
細野晴臣という日本を(YMOでは世界を)代表する音楽家の残してきた録音芸術(アルバム)が、
どのような時代背景、発想のもとに生まれたのか?

<おもな内容>
吉野金次・・・・『ホソノ・ハウス』
田中信一・・・・『トロピカル・ダンディー』『泰安洋行』
吉沢典夫・・・・『はらいそ』
寺田康彦・・・・『SFX』『メディスン・コンピレーション』
飯尾芳史・・・・『フィルハーモニー』『オムニ・サイト・シーイング』
原口宏・・・・ 『フライング・ソーサー 1947』『ホソノヴァ』『ヘヴンリー・ミュージック』
原真人・・・・ 『ヘヴンリー・ミュージック』

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