Softly! (Wanda de Sah / Wanda Sá)

セルジオ・メンデスとの共演で知られるブラジルの妖精ワンダ・ヂ・サーがキャピトルに残した代表作。
名手ジャック・マーシャル率いるストリングスをバックに可憐なヴォーカルを披露している。
リズム・セクションをバックに歌うジョビン・ナンバー「おいしい水」もいい。

セルジオ・メンデスとの共演つったって大昔(Sergio Mendes Brasil ’65/66だもん)だもんで、今はさすがにブラジルの妖精とはいえないWanda de Sahさんではありますが、この1965年制作の2ndはオーケストラをバックにボサノバの名曲をしっとり歌い上げている名盤であります。

このバックのオーケストラのアレンジが王道直球ものでありまして、非常に非常に聴き心地がよろしい。 セルメントリオの方も演奏しているとか。 っていうかBrasil ’65とこれのカップリングCDなんていうものも売られているんですね。 どうせだったら1stとこの2ndのカップリングだったらよかったのに・・・1stはデオダートが演奏しているらしいし。

というかこの後どういう作品を出しているのか知らないのでありますけど、ここいらの女性ボーカリストの特徴として「あんまり歌がうまくない」っていうがあります。 歌いきれていない感じ。 でもそのへんは雰囲気で押し通しちゃってるんですよ。 素朴に訥々と歌ってる。 悪く言っちゃえば誰が歌ってもいいんじゃないかっていう。

私個人としては、この頃の音楽ってすっきりと晴れ渡った印象がないんです。 こう、当時のグラビアよろしく鮮やかさに欠けると申しましょうか、霞がかった感じ。 紙質の問題なのかなんなのか、そういうグラビアから受ける印象がそのまま音楽に直結した印象ってのがあるんです。

でもこれ名盤。