からっ風野郎

異才・増村保造監督の代表作をDVD化。世界的に高名な作家となっていた三島由紀夫の主演作。出所したばかりの二代目親分が、ひょんなことから健気に生きる娘の一途な純粋さに触れ、ヤクザ稼業の空虚さを知る。しかし、彼には殺し屋の銃弾が迫っていた。

三島由紀夫主演と言えば「憂国」になるのでしょうけれど私は未見で、そっちも観るっちゃぁいつかは観るのでしょうが、さっきこっちを観終わりました。 からっ風野郎。

変な話、からっ風野郎がカラーで、憂国がモノクロっていうのもアレですけど、憂国は舞台劇っぽい雰囲気であったり、2.26事件がモチーフであったり、はたまたATGであったりなのでモノクロでもいいだろう、って勝手に思い、からっ風野郎がカラーだ、と。 品川の登記所がこれ、ホントなのかどうだかわかりませんけれどもカラーで写ってるのが貴重だって部分で吉。

映画自体は平凡で、三島由紀夫の演技も特段評価に値せず、若尾文子はイケてなく、唯一いいのが神山繁(喘息持ちの殺し屋!)であったりという、褒めようのないところなんです。

ラストシーンのエスカレーターも、へぇ・・・ってくらいで。

三島由紀夫主演じゃなかったら絶対に観なかったであろう映画でありました。