地獄の天使 紅い爆音

独特の存在感とハスキーな声で一世を風靡したあの内藤やす子と、当時ユニークな個性派新人として売り出された入鹿裕子が、基地の街、福生、横須賀を舞台にケンカ、セックス、オートバイに狂った日々を描く女暴走族映画。また、舘ひろしが新境地に挑戦している。
福生のライブハウスで抜群のロックギターを聞かせていた貢と、スケバンを張り、カミソリヨーコと異名をとっていた耀子とは互いに惹かれあい、愛し合っていた。しかし、ある時、ケンカで貢の小指が切り落とされてしまい、逆上した耀子は相手をカミソリで殺してしまう。そして三年—、出所した耀子を待ち受けていたものとは—!?

舘ひろしと森下愛子を目当てに見たんでありますけれども(どうにも最近は舘ひろしがマイブーム)、何気に成瀬正(ピラニア軍団)とか出ていて素敵なC級映画。 取り敢えず70年代のこういう映画は軒並みB〜C級のパレードで、私にとっては宝の山。 でも当然全てを見切る自信も予定もなく、個人的に琴線にふれるものから手当たりしだい見るのであります。

けれども最近はアヲシも生まれましたしね、生意気に「このテレビは違う!」とか言い出すもんですから、まぁそれ以前からでもですけれども居間のテレビではこういうのを見なくなったんです。 こういうの、っていうのは私が見るようなDVDの事ね。 基本的に休みの日の早朝にしか見る時間が無くってねぇ。

それにしてもディティールにここまで凝っていない映画っていうのもかえって爽快ですらあるのでして、「抜群のロックギター」で「ゴールドフィンガー」だったらもうちょっと弾く真似を勉強しようや、とか、どうすればもつれあいで小指を切断できるんだ、とか、ラストなんてゴルゴなみのスナイパーっぷりですからね主人公。 行き当たりばったりすぎなんですよ。

でもそれがいい。 こういう映画で必ず最後に書くのが「でもそれがいい」なんであります。

ちなみに森下愛子は役に全然マッチしていないところが素晴らしく(しかもヤク中みたいなメイクなので怖い)、舘ひろしはこの映画位から舘ひろしになった感があります。