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前作同様クリス・トーマスのプロデュース。あらたに“ファンキー”さが加わり、さらに洗練された音に。それを可能にしたのはメンバーの優れた演奏能力なの は、いうまでもないか。75年発表。

ミカバンドのオリジナルアルバムで唯一これだけ持っていなかった。 勿論LPは持っていたので擦り切れるほどに聴いたんだけど、あれから幾年も経って改めてCDで聴き直すと、意外や意外。

私はやっぱり「ライブインロンドン」が好きで、あとはやっぱり黒船、んで1stとこれはどっちもどっちかなぁと思ってたんです。 でも全部CDで聴き直す事が出来て、案外1stも良かったりとか。 んでこの度3rdを聴いて、もしかしてこれが一番なんじゃないかと思い直したりなんです。

アルバムとしては何が何だかわからんちんな混沌とした、バラバラ感たっぷりでありまして、昔はこういう空気が好きになれなかったのかも知れません。 黒船っていうコンセプチャルなアルバムの次がこれか!みたいな落胆は確かにありました(余談ですけど、もし駅前旅館が発売されていたら、バンドそのものが嫌いになっていたかも知れない・・・今だったら違うけど)。

ただこのラストアルバムは、その後のサディスティックスに繋がる雰囲気もあるところからも、または露出度からも、加藤和彦とミカの貢献度が随分と少なく、自然、インストロメンタルの比率も高くなって、随分と匿名性が高いようにも思われます。 でも明らかにドラムは高橋幸宏であり、ギターはタカナカであるし、ベースはどう転んでも後藤次利であるからビックリこん。

とても懐の深い、余裕のある、暖かいアルバムです。 M-2、3が私の好み。