審理 裁判員制度広報用映画

予告編はおろか本編までYouTubeにアップロードされているそうですけど、私はちゃんとDVDで見ました。 最高裁判所が作った裁判員制度の広報映画。

主婦の奈緒子は、裁判員候補者の名簿に載ったことに戸惑いを感じつつも、家族3人で平穏な生活を送っていました。そんなある日、東京都内の駅の構内でナイフによる刺殺事件が発生。この事件の裁判に裁判員として参加することになった奈緒子。目の前で展開される審理の中で次第に明らかになっていく事実とは……

主人公の人が覚せい剤取締法容疑で逮捕される前後に公開が自粛されてしまったという曰くつきの映画で、享年1年4、5ヶ月。どうせ公開しないのであればリメイクでもすればいいのに、と。

それと、これを監督した方はこれが遺作だったそうです。 遺作が公開中止って、故人も浮かばれませんですね。 なんという、もう。 無念だったと思います。

映画の内容の方は、そういった主人公の人のおかげで前編ギャグ映画に「なってしまいました」。 主人公が帰宅してからのホームコメディーが全然和めず、裁判所での主人公の一挙手一投足一科白に神経が(勝手に)集中されてしまうという有様。 ラストの「生焼け」で主人公が家族に「外食が相当」の判決を下すところなんざ、かえって笑っていいものかどうなのかわからなくなってしまうというちょっとしたパニックを引き起こしてくれる程です。

ただ、そういう主人公を演じた人のリアル生活の事がなければ、これ(広報用)映画としてはその目的をかなり高いレベルで達成しているのではないかと思いました。 下手したら単にドロドロして終わってしまい後味悪くしそうな題材なのに。

かえすがえすも残念だ。 っていうかDVD、見ようと思えば今でも見られます。