同心亀無剣之介

3冊出ています。 全部読了。

ちぢれすっぽんと呼ばれ、同僚の武士どころか市井の町民、はては悪党にすら侮られている、北野奉行所の名物同心・亀無剣之介。だが、しょぼくれた顔と冴え ない言動の裏には、難事件を解き明かす鋭い頭脳と、鳳夢想流免許皆伝の剣術を隠し持っていた。殺しの下手人に対してさえ、したてに出る剣之介であったが、 おどおどと、しかししつこく質問を繰り返すうちに、下手人は亀無の中に潜む高い知性と、悪を見逃さぬ執念に気づき、そして恐怖する…。猛暑の江戸で、お千 代は、幼なじみを殺してしまう。殺しの嫌疑から逃れたかに思えたお千代の前に、風采のあがらぬ同心・亀無剣之介が現れた。同心と下手人の息づまる攻防が、 ここにはじまる。

風野真知雄の作品としては珍しく...ってこの人の場合はなんでもかんでも意表をつくのですけれども...最初に犯人が割れる。 というか犯行のシーンでエピソードが始まるんです。 んでのっそりと主人公の同心「ちじれすっぽん」こと亀無剣之介がやってきて、あーでもないこーでもないと煮え切らないような「感じ」でいながら最後には強引にでもまとめ上げてしまう、というのが今回のお約束。

なんというのだろう、私は時代物に出てくる女性が好きだ。 いやむしろ、そういう時代物を好んで読んでいるのかも知れない。