格下げ同心 瀬戸七郎太 情け深川捕物帖

剣術と柔術を組み合わせた刀法起倒流の遣い手、瀬戸七郎太。ある事件がきっかけで、南町奉行所与力から同心に格下げされた。元同僚からは蔑まれ、不慣れな 仕事の辛さに悲哀を感じる日々。給金が減ったのに愚痴も言わぬ妻の顔を見るにつけ、心が重い。極悪人をぶちのめし、手柄を立てて与力に戻る!怒りの覚悟を 胸に今日も本所深川を歩き回る。やがて持ち前の腕と推理で難事件を次々に解決していく七郎太だが、奉行所の反応は意外と…。話題の著者の新シリーズ。

風野真知雄はハマれば際限が無くなってしまうなぁ。

それはそうと、ここのところ立て続けに風野真知雄作品を読んでおりますが、奥付を注意深く見てますと、案外ここんところ立て続けに作品を発表しているんですね。 だもんでこれも(ちゃんと)シリーズ化されるのかなぁ。

兎角風野作品はどれも斬新な設定でありまして、斬新もこう続くとマンネリに感じない事もございませんが、突き詰めて考えれば、これが「風野色」なんだね。 風の色...?

与力から同心へ格下げなんて前代未聞ですけど、何とも後に残りそうな理由でありますし(職務中の事だしねぇ)、周辺の変化の面白さ(と全然変化しない可笑しさ)も興味深い。

それよりなにより、格下げになって再度昇格に向けて奔走するんですけど、同心に格下げになった事で見えてくるものがある...というところが良い。 風野作品ってこういうところがあるから読んでいて嬉しくなるんです。 人生は気の持ちようなんだねぇって改めて思うんです。