君よ憤怒の河を渉れ

昨日、熱にうなされうんうん言いながら見ました。 見終わって思った。 これはカルト映画だ。

『新幹線大爆破』の高倉健と佐藤純彌監督が再びコンビを組んだアクション。無実の罪を着せられた現職検事が、執拗な刑事の追跡をかわしながら、自らを罠に陥れた見えない敵を追って、東京から北海道までの復讐の旅を壮大なスケールで描く。

こないだ見た高倉健主演の映画がゴルゴだった訳で、どうしてもその延長上で見てしまうのですけれども、かえってそういう見方の方がこの映画の場合、楽しめます。 何せ異様な展開のオンパレードで成り立ってるからなんです。

皇紀2650年の歴史をぅ!と唐突に語り出すのには異様というより珍妙さを感じてしまうのですが、これはこれで理由があるみたいで、中国で沢山の人が見たらしいんですね。 だもんでみたい。 皇紀なんていう中国の人の神経を逆なでするような台詞を悪役に喋らせる、と。

それはまぁよいとしても、それ以外は本当に不思議な内容。 無実の罪を着せられ、家宅捜索中に逃げ出す...あたりまでは普通の映画っぽいのです。 が、「無実の罪を晴らす」為の行為が無理矢理過ぎる。

北海道で令嬢、っていうのがその筆頭。 しかもその出会いってぇのが、令嬢が熊に襲われているのを助けるっていう、今までの流れを簡単に逸脱してしまうような話の筋なんです。 こういうトコにヒグマとか出るんだよなーって思ったら、ホントに出てきちゃうんだもんなー。

一時的にアイヌ住居みたいなところで匿われて、いざ東京へ戻るってぇのでその手段が、操縦したことのない小型飛行機なんですよ。 簡単に説明してもらって、操縦しちゃってんの。 このあたり、ちょっとスポ根入ってます。

後はまぁ新宿を馬が群れをなして爆走したりとか、アマゾンのレビューにもあるけどご都合主義で埋め尽くされて、変な意味で予断を許さないというか先の展開が(おかしすぎて)読めない映画であります。

ラストは意外に普通に終わるんだけど、最初の方で「この人です!」「この男です!」というあのシーンのエフェクト、すごく格好良かったなぁ...ってうのが最大の感想です。