Kellee (Kellee Patterson)

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BLACK JAZZでリリースしたデビュー・アルバム『処女航海』をプロデュースしたジーン・ラッセルを再びプロデューサーに迎えカリフォルニアのSHADY BROOKSから1976年に発売されたセカンド・アルバム。ケリーの最高傑作として名高い本作は当時のソウルナンバーをカバー。バリー・ホワイトの名曲「I’m Gonna Love You Just A Little More, Baby」やオージェイズ、スタイリスティックスからグローバー・ワシントンJrの「Mister Magic」まで、フリー・ソウルやレア・グルーヴ方面でも人気の傑作ジャジー・ソウル! !

16 歳のときからプロとして歌手活動を開始したという Kellee Patterson はミスコンに出て優勝したことでレコード制作の声がかかったということですけど、Motown を蹴って Black Jazz と契約したっていうところに只者ではない何かを感じるところです。 生年とかいろんなところが不明なのでそういうのはさておくとして、リリースされたアルバムは 1973 年から 1979 年までの 4 枚きりで、どうしてそこでリリースが止まってしまうのだろうと疑問に思うほどに歌手として(も)立派なもの。

数年前の当サイトであれば他を毛散らかしても 1st を推すところだったでしょう。 いかにも Black Jazz からのリリースで、スピリチュアルなジャズソウルの名盤と申し上げてもいいくらいですし、これがデビュー作なのかって驚くほど。

その後はソウル度を高めていって 4th ではディスコディスコするに至るわけですが、この人がすごいのはリリースされたアルバム 4 枚ともがたいへんに素晴らしい出来栄えというところ。 3rd でいきなりコケティッシュな歌い方が加速するところが興味深いところではありますし、それがまたサウンドに合っちゃってるところに芸達者っぷりを見せつけるところでありますが、ここでは敢えて 1976 年リリースの 2nd を挙げます。

一般ではソウルに振り切ったカバー集ということで最高傑作の誉高い本作ですが、すべてカバーだということはなくて、最後の曲でありますところの Once Not Long Ago は自身の作曲(作詞?)でありまして、何を隠そうこれが一番いい楽曲なんです。 ですからオリジナル曲を網羅したその後のアルバムへの先鞭をつけた楽曲と申し上げてもいいでしょう。

ちなみに本作から 4th まで Shadybrook からのリリースとなっていますけど、本作自体のプロデュースは 1st に引き続き Gene Russell であります。 自身のレーベル Black Jazz からのリリースではないことに疑問を持つ私なのではありましたが、この頃には Black Jazz は制作だけ請け負う体制に変わったそうなんですね。

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