50 年代より活動し・・・というのを読んで、いったい何年生まれなの?って調べたら 1935 年生まれなんだそうで、And I Love Her の Her を Him にして歌ってヒットしたという、それをタイトルにしてリリースしたデビューアルバムが 1965 年だというからアルバムデビューとしてはずいぶんと遅咲きだったみたい。
いったい Esther Phillips という天才歌手については、当ブログの流れから言いますってぇとファンキーというよりもダンサブルになった Joe Beck との共作 What A Diff’rence A Day Makes (1975) から怒涛のようにリリースを重ねて 1980 年リリースの Good Black Is Hard To Crack までが鉄板すぎて、そっちばかりに気を取られ、っていうか気を取られても仕方ないしむしろそっちでいいですよっていう話ではあります。 なにしろどのアルバムもいい。 この間に所属レーベルが Kudu から Mercury にかわっているというのにテンションを一定に保っているんですよね。
そう書きながらもここで挙げるのは、まだ泥臭く R&B をこなし、次作でのジャズソウルへの橋渡し役にもなっている 1973 年リリースの Black-Eyed Blues です。 前述の通り、以降のダンサブルな(早い話がディスコな)アルバムはそれはそれでいいとして、なんと申しましても本作でのピークはタイトルトラックになるかと思います。 Joe Cocker のオリジナルもいいんですが、Esther Phillips バージョンは演奏もバックコーラス(これが特にいい!)も素晴らしく、彼女のために書かれた曲なんじゃないかと思うほどにハマったボーカルなんですよね。