Can You Feel It (Ray Barretto)

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例えば Ray Barretto の 1973 年のアルバム Indestructibe を聴いてみると、そのラテン(というかサルサ)の奥深さが心地よく感じられるものですし、1981 年の La Cuna ではラテンは通底されているもののジャズというより明らかなフュージョン色の濃さが爽快でもあります。 ラテン好きならば文句なしに Ray Barretto をおすすめしたおところではありますが、時というものは不思議なもので、1978 年リリースの本作はソウル/ディスコに寄っている点において特異な印象を受けますし、特異とはいえソウルやディスコですし底辺にラテンがありますもんで聴きやすいことこの上ないですし、女性コーラス(ボーカル)がなんともいえずいい。

それほどには Ray Barretto を聴いていないので断言するわけでもありませんが、このリリースの前後はライブ盤で、ばりっばりのラテンであるのと、リリースレーベルが Fania と Atlantic で揺れているところからみて、外部からの「圧力」というほどでもないでしょうが「要求」みたいなものがあったのでしょうか。 スタジオ録音盤でいうところの前作である Ey Of The Beholder がずいぶんとファンクに寄ってきていることを踏まえても本作の特異点を見出すことができますし、生まれるべくして生まれた氏のキャリアでも随分に時代に即した特異盤であることは明白ですし、アルバムの後半で一気にフュージョン化するところも興味深いです。

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