今だから普通に聴いちゃっているけど、Billy Nicholls の 1st は 1968 年に 100 枚のプロモーションプレスが出回っただけでお蔵入りになり、1998 年に自ら正規に発売するまで放置されていたのだそうな、っていうのをここに知るに至り、じゃぁ 1974 年に出た 2nd であるところの Love Song の立ち位置が微妙すぎることになるだろうって私勝手に考え込んじゃったりもするのですけれども、いや 2nd もいいんですが、こういう経緯を知らずにいたとしても 1st が断然いい。
Pet Sounds へのイギリスからの返答・・・というキャッチフレーズは後々に作られたものだろうけれども、本人が大変に影響されたことは明白であるし事実だったよう。 サイケデリックであるものの、その影響をモロに被っているだけにバロックポップ度が逸脱しててすばらしいです。
ちなみにオリジナルのリリース元であった Immediate は 1970 年には閉鎖されたということですから、本作が財政難のためにリリースできなかったという背景にも頷けますし、本人による正規発売が Immediate の 2 度目の権利移転（1996 年）の後であるのもその経緯がわかって興味深いところ。 なにしろ本作は正式に発表されなくてはならない逸品であります。