追憶の泰安洋行 細野晴臣が76年に残した名盤の深層を探る(長谷川 博一)

「ハリー細野 クラウン・イヤーズ 1974-1977」をね、予約したっていうのはこれが2007年の2月にリリースされたっていうんだからその頃なんでして、もう一昔前のことなのかぁって感慨深いものがあるものの、そもそもレコードを手にしたのはそんなに古い話じゃなくて、っていうか当時(YMOの初期)はここいらのレコードは軒並み廃盤だったり品薄だったりで、ようようにはっぴいの1stを新星堂で買ったっていうくらいの話であり、少なくともそれからしばらくは泰安洋行なんて実物を見られなんだってくらいでした。 数回を経たダビングでよれよれのカセットテープをよく聴いていたもんだけど、若さだよなぁって今でも思います。

そうそう、レコード会社の関係で「はらいそ」は比較的入手しやすかったんじゃなかったろうか。 だもんでけっこう早いうちにLPを持ってて、それこそ擦り切れるほど聴いていたもんです。

ということなんで聴いても聴いても飽きない不思議なトロピカル三部作は、聴く度に発見があるんだけど、こういう書籍があるってぇと奥さん、そりゃ読みますよ。

なお、著者は去年のうちに亡くなってしまったそうだ。 合掌。

YMO結成前夜に細野晴臣が放った“トロピカル三部作”は、いかにして作られたのか!?

参加ミュージシャンやスタッフ、そして細野晴臣本人の証言から歴史的名盤『泰安洋行』の制作過程を探り、その魅力や真価を改めて検証する! 2016〜8年にレコード・コレクターズ誌に掲載された連載「追憶の泰安洋行〜細野晴臣が76年に残した名盤の深層を探る」待望の書籍化! 細野晴臣による特別寄稿、鈴木惣一朗による“あとがき”つきです

◆本書に登場する証人たち
あがた森魚、伊藤大地、s-ken、大江田信、国吉静治、久保田麻琴、桑本正士、鈴木慶一、鈴木茂、鈴木惣一朗、高田漣、田中信一、長門芳郎、林立夫、細野晴臣、民謡クルセイダーズ、ヤギヤスオ、矢野顕子、輪島裕

<もくじ>
■ カラー口絵
■ まえがき〜イエロー・マジック、ここに生まれる
■ 第1回 外国人にまず聞かせたい日本語のロック
■ 第2回 長門芳郎、国吉静治〜スタジオを自由に使ったレコーディング
■ 第3回 林立夫〜林立夫が語るチャンキー・グルーヴの極意
■ 第4回 輪島裕介(1)〜輪島裕介氏が語る“リズム歌謡”としての魅力
■ 第5回 1976 日本のトロピカル事情
■ 第6回 田中信一〜エンジニア=田中信一が残した魅惑の響き
■ 第7回 鈴木茂〜鈴木茂にとってのトロピカル・サウンド
■ 第8回 久保田麻琴(1)〜“トロピカル・ダンディー”の名づけ親、久保田麻琴
■ 第9回 久保田麻琴(2)〜<ルーチュー・ガンボ>に惹かれる理由
■ 第10回 伊藤大地〜ドラマー、伊藤大地が授かった細野マジック
■ 第11回 ヤギヤスオ〜ヤギヤスオが描くトロピカル日記
■ 第12回 高田漣〜ホソノ原理主義を支える高田漣
■ 第13回 桑本正士〜カメラマン、桑本正士氏を偲ぶ
■ 第14回 s-ken〜もう一人の重要人物、s-ken登場
■ 第15回 大江田信〜真夏のエキゾチック音楽講座
■ 第16回 『ガンボ』が導いたOH砲〜大滝詠一、細野晴臣の時代
■ 第17回 矢野顕子〜矢野顕子にとってのトロピカルな日々
■ 第18回 鈴木慶一(1)〜シャイネス・ボーイのオリエンタリズム
■ 第19回 鈴木慶一(2)〜鈴木慶一が語る細野との共演の日々
■ 第20回 あがた森魚〜あがた森魚が語る二人の船長
■ 第21回 民謡クルセイダーズ〜エキゾな新星、民謡クルセイダーズ参上
■ 第22回 輪島裕介(2)〜<台北ブルース>が鳴り響いた夜
■ 第23回 『はらいそ』が目指したトロピカルのゴール
■ 第24回 鈴木惣一朗〜鈴木惣一朗が語る、細野の奥道
■ 第25回 トロピカル・ダンディーをもう一度
■ 第26回 細野晴臣(1)〜細野晴臣が明かす名盤の記憶 その1
■ 第27回 細野晴臣(2)〜細野晴臣が明かす名盤の記憶 その2
■ 最終回 ぼくと君のララバイ
■ 当時の広告ギャラリー(1)(2)
■ 追悼文・長谷川博一くん〜改めて強いロマンチシズムと ぼくへのエールを感じた(細野晴臣)
■ あとがき〜奇跡の音楽書(鈴木惣一朗)

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