ロッキング・オンの時代(橘川幸夫)

ロックがいちばん熱かった時代の記録
70年代と今をつなぐメディア創刊物語

1972年、渋谷陽一、橘川幸夫、岩谷宏、松村雄策の4人の創刊メンバーでスタートした「ロッキング・オン」。レコード会社側からの一方通行の情報を伝えるファンクラブ的音楽雑誌と一線を画し、リスナーがミュージシャンと対等の立場で批評するスタンスで支持を集め、いまや音楽雑誌の一大潮流となった「ロッキング・オン」は、いかなる場から生まれたのか。創刊メンバーの一人である橘川幸夫が、創刊の時期から約十年の歩みを振り返るクロニクル。
ロックがいちばん熱かった時代、70年代カウンターカルチャーの息吹を伝えるノンフィクション。

おそらく誌上での著者の原稿を読んだことはないと思うし、あの岩谷宏(私にとってはJAVAの人)のそれも同じであるのは、1980年代前半に離脱したからだそうで私自身はROをその直後くらいに読み始めたからにほかならない。 それにしても一時期はよく読んだもので、rockin’onもそうだしROCKIN’ON JAPANもそうだしなにしろ本屋で買ってきちゃぁ家に引きこもって一字一句漏らさず読み耽ったものだけれど、今から思えば若さゆえ、であります。 どういうパワーなんだろう、って。 だがしかし、突如として読まなくなったものでして、なんかこういった雑誌で語られるロック(洋邦問わず)に幻滅みたいなものを感じ、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いではありませんが雑誌も読まなくなったといったところであります。 ただ、雑誌というものそのものを読まなくなったのではなく、例えばフルメとか、例えば夜想とかの、オーバーグラウンドじゃない方向に舵を切ったのだろうと今から思えばそうなんですよね。 若いなぁ。

ということなんで、私の知らない創刊時のROならびに著者周辺の問わず語りを読むのは新鮮であり、大変興味深く読了したところであります。

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