アナーキー

このドキュメンタリーは、アナーキーが日本中に衝撃を与えていた1980年。その頃まだ生まれていなかった今を生きる若者たちに贈られる。ちょうど30年 前に、埼玉の不良が憧れだけで何も分からないクセに、勢いで結成したバンドが時代と重なり、1970代後半に世界同時多発的に盛り上がったパンクムーブメ ントと呼応し、日本のロックシーンと社会に与えた強烈なインパクトをメンバー自身、当時の関係者、そして彼らによって人生を変えられ、決められたアーティ ストたちのインタビュー、さらには貴重な映像を通して辿っていく。

80年代は不様で、90年代は空虚...という私の人生において、アナーキーの音楽が入り込む隙は全く無く(ぉぃ!)、小学校ではやっとこさYMOが盛り上がってきた頃。 パンクという存在は知っていながらも、もうロックは要らないやっていう雰囲気だったんですよね、私。 そもそもその前はマイルス聴いていたような子供だったし。 かろうじてジャーマンだのファンクだのですよ、ってどういう環境だったのよウチ。

っていうか今でもそうだけどロックというものはダサく、底浅く、軽く、どうしても好きになれないんですよね。 ロックなんだけど脱ロック的なものには触覚がピピピ!となりますけど、直球のロックは思い切り拒否反応を示しちゃってたんです。

それでも最近は大人になったからなのか(普通逆だとは思いますけんど)、ロックってどう?どうなの?って気持ちが強くなってきましてね。 こないだも口を滑らせてしまいましたが「ジャーニーっていいじゃん」とかさ。 もう取り留めも無くなっちゃってきちゃってさー。

だからってこんな話とアナーキーのDVDを結びつけちゃう強引さは無いだろうって話でもあるんだけど、話のついでってやつですよん。

アナーキーはそうだからって全然聴いた事が無い筈も無く、当時が当時ですからある程度の範囲の音楽っていうのは自然に聴いちゃってた訳で、その中の一つにアナーキーがありまして...えぇっとかなり大胆に言っちゃいますけど...クラッシュみたいなもん?音楽の指向が、みたいな印象しかなかったんです。 んでDVD観て、当たらずとも遠からずではあったけど、実際そこまで達していなかったみたいだなぁと感じたところ。

アルバム回収だの、元妻刺す事件とか、直接的に音楽とは関係ないでしょ。 他のバンドとかでもそうなんだけど、基本的に私はそういう音楽と直接関係無い事はどうでもよいと思っているんで、それらは綺麗さっぱり排除した上で俯瞰してしまうんですよね、バンドとかそういう演奏者さん達を。

そうすると、あんまり残ってないなぁー、っていうのは案外多くて。 それが私をしてロックを好きにさせなかったのかも知れない、って、今ながら思うところではありました。 そんな再確認を、このDVDをしてくれましたです。

あ、東京の風景とかも結構収められているんですよ。 いいですよ。