放送禁止歌

岡林信康『手紙』、赤い鳥『竹田の子守唄』、泉谷しげる『戦争小唄』、高田渡『自衛隊に入ろう』……。これらの歌は、なぜ放送されなくなったのか? その「放送しない」判断の根拠は? 規制したのは誰なのか? 著者は、歌手、テレビ局、民放連、部落解放同盟へとインタビューを重ね、闇に消えた放送禁止歌の謎に迫った。感動の名著、待望の文庫化。 

今でもあるのかな、ようつべに元になった番組がアップロードされていますね...っていう出だしで書くんだろうなぁって予想していたけど、今日日であれば絶対にこうなるよねぇ。

この書籍は、番組映像と一緒に読まないと、意味というか重みが半減されちゃうと思う。 いや逆か。 番組映像と一緒に読むと、効果倍増。 ちなみに岡林信康の「手紙」を番組の最後に、真っ黒&タイムコードだけという大胆さでフルコーラス掛けたのは、制作側と視聴者側の対比を鮮明にさせる事だったのではないかと今になって私は考えます。 というのも、「手紙」は聴けない訳ではなく、テレビで流せなかったとされていただけだからです。

ただ、そういう視聴者不在の制作側の意識というのが、実はこの構図で成り立っていなかった事を番組なりこの書籍は明らかにしています。 即ち、放送禁止歌というものは存在しなかった、したとしてもそれは随分と昔の話だった...という事実がそれです。 自主規制の名のもと、制作者側が自分で自分の首を絞めるような事をしていたのです。

という書籍。 特にデーブ・スペクターとの対談は必読。

それにしても思うのは、怖いのは放送禁止じゃなくて発売禁止だっていう事。