一日江戸人

「遊びと仕事は夫婦みてぇなもん」と言い切る江戸人(江戸時代の人々)…カラッとしてて楽天的で、日々を楽しむことに情熱を傾けて生きる彼らこそ、遊び友達に最適!いかした相棒・江戸人と、春画や相撲を観戦して、食事してお酒飲んで、たまには異性をひやかしたりしながら、本書のなかで江戸時代を散歩してみては?庶民から大道芸人、はたまた奇人変人など、江戸の街のキャストをおもしろおかしく紹介した「入門編」。長屋の生活や夏をのりきるための知恵など、江戸人の生活風景に着目した「初級編」。銀ブラならぬ江戸ブラ…江戸の屋台や相撲観戦など、よりディープに江戸人をとりまく風景に迫った。

漢字で書くところをカタカナで書いちゃう、今ではロートルしかやらないであろうニュアンスがいかにも80年代なこのエッセイ集は、いかにも86年から88年にかけてビックコミックオリジナルに連載されていたものをまとめたものなのだそうで、読み物としては軽い。

しかしながらそれは読みやすい、簡単に読めるのであり、決して内容が薄いのではないところです。

でもそれにしても、私が持っているのは小学館文庫の方なんで、その後に出た新潮文庫のそれは知りませんけど、特に絵は誌面を(何の臆面もなく)取り込んだだけっぽく、ページのギリギリにまで印刷されており、恐ろしく読みにくい、というか読めないよ中綴じのところなんざ! いくら文庫本でも、もうちょっと気を遣って欲しいところなのではありました。

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