パリ1969 (加橋かつみ)

「タイガースのトッポが突然蒸発!?」と女性週刊誌の話題になった69年,当時としては画期的なパリ・レコーディングによるソロ・アルバムの復刻。タイガースの隠れテイストであったビー・ジーズ趣味は,トッポに強く現われていたことを再確認できる。

加橋かつみという人はグループサウンズのタイガースっていう、沢田研二もいたバンドのメンバーで、それはそれはタイガースは売れたそうですけどなんかあれこれあって加橋かつみさんは脱退し、パリに渡ってこの作品を録音したのだそうな。

と、事前調査なしくらいの、この程度の知識を前に聴いてみると、この作品はまぁなんだ。 1969年当時ってこういう感じなのかと。 うーんたしかにそうなんだろうけど、ちょっと突き抜けたところがあるものの、どうも・・・というところもあって。

内容はサイケの匂いがちょっとある、ソフトロックの匂いは色濃く感じさせる、なかなか丁寧に作られたもので、曲もいい。 パリ録音だからなのか・・・。

ボーカルもね、おお花の首飾りだ!とか廃墟の鳩だ!とか、そういう聴き方をしてしまうところで本人の歌い方の良さが出ているんです。 ただ、どっかに「ビージーズ寄り」だって書いてあって、そうなのかなぁと思いつつも別に思ったのは、ビージーズっぽさだったりソフトロックっぽさだったりが、このボーカルでは合わないんじゃないかっていうところなんです。 ちょっと違うんじゃないかって。 先に「どうも・・・」って思ったのはこの違和感だったのかも知れないです。

でも、悪い意味じゃない。 これはこれで良盤であります。