深川通り魔殺人事件
1981年6月17日の白昼、下町の商店街が一瞬にして惨劇の舞台に変わった。その男は、おもむろに取り出した柳刃包丁を手に、幼児を含む六人を次々と殺傷し、そのままひとりの女性を人質に7時間に亘り籠城を続けた――。80年代の幕開け早々に起こり、それまで起きたどんな凶悪犯罪とも違う手触りを感じさせたこの事件を、直木賞作家・佐木隆三が冷静な筆致で辿ったノンフィクション。逮捕・拘束され衆目に曝された犯人は、ブリーフにハイソックスという出で立ちの異様さと、憤怒の形相を人々の眼に焼きつけ、そして語った――「電波がオレにひっつくんだ」と。
結局何だったんだろうっていうこの事件。 シャブ中だからの犯行なのか、それとも他の何かか...っていうかどういう動機だったのか...。
「電波」という単語にとんでもない意味を持たせてしまった事でも有名なこの事件ではありますが、事件そのものよりもショッキングだったのは、勿論逮捕時の格好はありますが、その後この出で立ちを某落語家が持ちネタにした事でもあります。 些か不謹慎じゃなかっただろうかと私は思っていました。
それにしても白昼の通り魔。 全く常識的では無く、異空間の出来事なんじゃないかと思わせるほどの異様さについてこの書籍では掘り下げております。 が、余りの異様さに、事件を単になぞる程度に終始してしまったのは決して著者の問題ではないでしょう。
事件を知るにはまたとない資料的価値があります。 しかしながら読了後の後味の悪さはどうだろう。





