徳川太平記―吉宗と天一坊
太平の元禄時代。紀州藩次席家老の子息・加納新之助は次席家老の姪・多藻と契りを交わす。実は新之助は家康の曾孫でありながら、よんどころなき事情で、元服まで加納家に養われていたのだ。懐妊した多藻に新之助は、血筋を証明する一文と葵の紋のついた短剣を手渡す。後に新之助は三万石の領主となり、さらに天下人にまで上り詰める。大岡忠助(後に越前守忠相)、紀国屋文左衛門なども脇を固める、痛快な時代巨編。
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さておき、今年のテレビ東京の「新春ワイド時代劇」(毎年1月2日にやたらと時間を掛けて放映する時代劇ドラマ)は「徳川風雲録」でありまして、その原作がこの柴田錬三郎作の「徳川太平記―吉宗と天一坊」なのであります。
偶然と言うかなんというか、ドラマの事が全然知らずにこないだ文庫本を買って、こないだ読了したところ。
私はまだそんなに柴田錬三郎作品を読んでいないのでして、その上で申し上げるのですが、これまでに読んだ作品に人物相関の「厚み」が感じられなかったのに対して、この作品にはそれが充分にあり、そのせいなのか上下巻でそこそこの文章量乍も2日で読み切ってしまったのは、単純に面白いからなのかも知れません。
勿論、吉宗というとリアルなそれよりも「暴れん坊将軍」なのであり、「暴れん坊将軍」のせいで徳川吉宗のみならず江戸時代全てが一度全否定されたのも事実ではありますが、こんなに取っ掛かりとして適したドラマもありませんでして、私自身はこれをとても高く評価しているんです。
また、今年の新春ワイド時代劇では、暴れん坊将軍で吉宗役を演じ続けた松平健が、何と土屋主水之助役で出演するとの事で、絶対にこれはウケを狙っての出演だと私は睨んではおりますが、話がややこしくはならないだろうかと危惧するところでもあります。
とまれ、私が思いますのに、このドラマと原作につきましては、先にドラマを観ちゃったほうが良いと思います。 原作を読んでからだと(恐らくドラマの方が劣るので)話の筋が理解出来るのは無論のことですし、ちょっとね、ややこしいのよ原作。 暴れん坊将軍みたいにサッパリスッキリしていないのね。 つーかそれが当たり前なんだけど、「天一坊と加納新之助の二役っていうのはいいんだけど、加納新之助ってそもそも誰?」みたいなありがちな疑問が原作を読んでおくことで払拭されるんであれば、正月2日までの間に読破されちゃう事をおすすめします。
ただねぇ、ここのところの新春ワイド時代劇はどうかっていうのもあるんだけどねぇ...。





