逃げ水
お盆休みから読み進め、読了した2作品の2番目は、子母沢寛の「逃げ水」であります。
旗本高橋家の養子謙三郎は、実兄山岡紀一郎、養家の隠居義左衛門のもと修行に励み、槍一筋で破格の出世を遂げる。桜田門外の変、清河八郎の策謀による浪士組の上京、新選組の結成…、激動の時代に将軍家への忠誠を貫く男、のちの泥舟、高橋謙三郎。勝海舟、山岡鉄舟と並び幕末三舟と称された男の生涯。
高橋泥舟の話だっていうのは知ってましたが、泥舟を名乗るのはもう隠遁直前でありまして、この作品で言えば一番最後のあたりでありますから、高橋謙三郎の物語だとするのは良いのでしょう。
「星の王子さま」こと三遊亭圓楽に似てると思った、写真見て。
それはさておき、直前に読了したのが文体にソリのあわない司馬遼太郎だった事もあり、今度は文体大々大好きの子母沢寛ってぇ事で恐ろしいスピード(アカネ曰く)で読了してしまいました。 いやぁやっぱり子母沢寛の文体は良いんですよねぇ。
ただこの物語、前半は謙三郎と鉄太郎(山岡鉄舟)、妙に鋭いご隠居そして愉快な仲間達の織り成すお話ですごく面白いのでありますが、後半何故か新撰組物語になってしまうという。
そりゃぁ子母沢寛で幕末なんで新撰組の入り込む隙は幾らでもあるのでしょうが、この入れ込みっぷりは只事ではありませんでして、何か理由があったのかも知れないと勘繰ってしまう位です。
確かに義に生きた高橋泥舟ではありましたのでしょうが、読み物としてはキャラが立っていませんでして、読み応えに物足りなさを感じました。 それよりも今、山岡鉄舟の小説が読みたいです。




